ワイヤー矯正スタートからゴールまで(症例:叢生+反対咬合)
こんにちは、桜新町グリーン歯科・矯正歯科院長の岡本です。
コロナが落ち着きマスクをする方がかなり減ってきましたね。
今まで口元が隠れて見えなかった部分がまた分かるようになると、何となく歯並びや口周りの印象が気になるかと思います。
今回紹介する症例ケースは軽度の叢生(ガタガタ)+前歯の反対咬合になります。
ぜひ見ていただけると幸いです。
叢生とは
歯の大きさに対して、顎が小さすぎて歯が並びきれずに前後に重なってしまうことを言います。
3番目の犬歯が顎の上にあることを八重歯というのはよく聞いたことあるかと思います。
原因は主に
- 顎が小さい:人間は進化の中であごはどんどん小さくなっています。また顎の大きさは遺伝も深く関係します。
- 歯が大きい:顎の大きさが正常でも歯が大きすぎると並びきれずにガタガタになります。
- 生え変わり:歯の生え変わりが上手くいかなかったり、乳歯のむし歯で早くに抜けてしまったりすると、永久歯は重なって生えてきます。
- 悪習癖:頬杖をよくしたり、舌の突出癖、お口をポカーンと開けたりすると顎の形が変わり、歯の並びに影響します。
放置したときのデメリット
- 見た目:口元の見た目がコンプレックスになることがあります。
- むし歯、歯周病:歯の重なりがあると歯みがきが難しくなりますので、むし歯と歯周病の原因になります。
- 口内炎:歯が粘膜を傷つけたり、頬の内側を噛みやすいので口内炎によくなります。
- 消化不良:食べ物を上手くかみ砕けないと物を上手く消化できないことがあります。
- 歯の寿命:かみ合わせに問題があると、一部の歯の負担が大きくなり歯の早期喪失につながります。
反対咬合とは
上下の歯をかみ合わせた時に、下の前歯及び下あごが上の前歯、上顎より前に出ているかみ合わせのことを言います。
さかご、受け口とも言われています。
反対咬合の原因は
- 遺伝:遺伝が一番の要因になります。家系に反対咬合や下あごが大きい方がいると遺伝しやすいです。
- 生え変わり:下の歯の生え変わりが上より早かったり、歯が前に倒れていたりすると下のほうが前方に出やすいです。
- 習癖:下あごを前に出す癖があったり、舌で下の前歯を押す癖があると反対咬合になりやすいです。
放置したときのデメリット
- 見た目:下あごの突出や口元の見た目がコンプレックスになることがあります。
- むし歯、歯周病:歯みがきが難しくなりますので、むし歯と歯周病の原因になります。
- 口内炎:お口が上手く閉じれないことがあるので、口腔乾燥になり口内炎によくなります。
- 消化不良:食べ物を上手くかみ砕けないと物を上手く消化できないことがあります。
- 歯の寿命:かみ合わせに問題があると、一部の歯の負担が大きくなり歯の早期喪失につながります。
症例ケース(叢生+反対咬合)
- 年齢:28歳
- 性別:男性
- 主訴:上の前歯の重なりが気になる。かみ合わせも治したい。
- 診断:前歯の叢生および軽度の反対咬合
- 治療方法:ブラケット矯正(上下顎)
- 治療期間:1年(通院14回)
- 治療料金:758000円(毎月調整費+リテーナー費)税込
- リスク・副作用:歯を動かす際に違和感や多少の痛みを伴うことがある。矯正装置を装着するため、虫歯や歯肉炎になるリスクが少々高まる
初診時の写真になります
上の前から2番目の歯が内側に入っていて、3番の犬歯は軽度の八重歯になっているのが分かると思います。
この叢生のケースが一番多いと思われます。
下の歯は軽度のガタガタがあり、上下のかみ合わせは前歯の軽度の反対咬合があります。
下の歯を奥に移動させる必要がありますが、親知らずも生えていて一見抜歯が必須に見えますが
これを非抜歯で治していこうと思いました。
矯正始めて4か月の写真になります
最初の4か月で上の2番目の歯を外に出せるように隙間を作っていきます。
また、下の歯と引っかかって外に出れないので、一時的にかみ合わせも上げて上下の前歯の間に隙間が出来ているのがわかります。
そのあとに2番目の歯を外に出して、上下の隙間を埋めるように上下で咬み合わせていきます。
この時に上下3番目の歯同士で小さな輪ゴムをかけていただき、かみ合わせを構成していきます。
1日20時間(食事の時は外して、終わったら新しい輪ゴムに交換)使っていただくよう協力していただきました。
矯正開始から6か月の写真になります
矯正スタートしてから10カ月の写真になります。5月の写真と比べると
上下の歯並びが綺麗になっただけでなく、かみ合わせも隙間なくしっかり噛むようになりました。
輪ゴムを1日20時間使ってくださった協力もあってのものになります。
この状態で2か月固定して、ブラケット及びワイヤーを外していきます。
矯正終了(ブラケット、ワイヤーを外した状態)の写真になります
ワイヤーを外した状態になります。
矯正前のガタガタ、反対咬合は完全に無くなったのが分かるかと思います。
非抜歯でここまできれいになりました。(上あごの写真の歪みが少しあります)
患者様もかなり満足いただけました。
いかがでしたでしょうか。
他にも矯正のQ&Aや他の実症例をブログに記載しておりますので、ぜひご覧ください
最後に当院の矯正治療の流れをおさらいしていきます。
- 矯正相談
レントゲン写真、口腔内写真を撮影して、患者様と一緒に写真を見ながら気になるところがどこなのか、
いまのご自身のお口の中の状態を確認します。治療の要望を聞いて、その人にあった治療方法を説明いたします。
またHPに載せている治療例なども見ていただき、似ているケースがどうやって治したのかも説明できます。
(治療例はすべて個人情報を伏せており、許可を頂いております) - 矯正検査
歯型の型取り、横顔の骨格写真(セファロレントゲン)、3DのCT、虫歯のチェック、歯周ポケット検査を調べていきます。 - 検査結果説明
矯正の検査の後に矯正治療の説明をしていきます。
現状および治療期間、今後の予定などをお知らせします。
マウスピース矯正の場合は3Dの型取りを行い、マウスピースの作成に取り掛かります。 - 矯正スタート
ワイヤー矯正なら装置を歯の上にセットし、マウスピース矯正ならマウスピースをお渡しします。
注意事項や清掃の仕方、取り扱い方などを詳しく説明します。
毎月1回、来院していただき矯正器具、マウスピースの調整をしていきます。 - 毎月1回の来院
毎月1回来院していただき、装置を調整していきます。
ワイヤーを変えたり、マウスピースの調整をしたりお口の状況に合わせていきます。
また、歯科衛生士による毎回のブラッシングの確認およびクリーニングもします。
これにより、虫歯がほとんどできなくなります。 - 治療の再チェック
治療途中で、定期的に検査をして、その状況にあわせて治療方法がずれていないかどうか、
よい方向に向かっているかを検討していきます。 - 歯がきれいにならんだら終了
きれいな歯並びになったら、矯正は終わりです。
通常、歯の裏側に細いワイヤーで、後戻りで歯を動かないように固定していきます。
場合によっては、リテーナーを製作していきます。 - 定期健診
せっかく時間をかけて、きれいな歯並びにしたのに動いてきちゃった・・・なんてことは避けたいですね。
何もしなければ、特に矯正終了直後は動きやすいのです。ですから、ワイヤーによる固定や、リテーナーを使ってもらいます。
リテーナーの使用は夜寝るときのみで大丈夫です。
また、動いていないかどうかのチェックも定期健診のときにしていきます。
もし、リテーナーをし忘れて、歯が動いてしまったら・・・
その際には、遠慮なくご相談ください。ご希望であれば格安で再度の矯正もします。
また、簡単な装置で後戻りを治す事ができる場合も多いですので、ご相談ください。