歯の特徴・お顔全体からわかる総合的な判断からの治療
先日上野の国立科学博物館で開催されている哺乳類展に遊びに行ってきました!様々な動物の剥製や骨格標本が展示されており、とても見応えがありました。
歯医者さん的に見てきて興味深かったのがやっぱり歯についてですね!
クジラの歯の大きさやポッサムの歯の本数の多さ(50本もあるそうです)、それぞれの歯の種類の違いなどなど。
今回のブログでは人間の歯についてお話ししていきたいと思います。
人間の大人の歯は全部で32本あり、それぞれ名前がついています。
前歯は1、2番目まで、犬歯は3番目のみ、臼歯はそれ以降の4番目から8番目までにあたります。
前歯、犬歯、臼歯では歯の形や大きさも異なりますが、役割も変わってきます。
前歯
食べ物をかみ切る
食事のとき食べ物を噛み切り、口の中に入りやすいサイズにします。
発音する
発音をする時は舌を動かして歯の裏側や口蓋に当てます。
歯が関係するのはサ行、タ行、ナ行などです。
歯を失ってたり、位置関係が悪いと空気が漏れて正しい音が出せない時があります。
矯正治療をして歯の位置を動かしたり、補綴して歯を作ってあげたりが必要です。
顔の印象
口の中で外から見えやすい位置にあるため、笑顔など印象をつくります。
犬歯
親知らずを含め全部で32本も歯はありますが、その中で4本しかないのが犬歯です。
永久歯の中でも歯根、歯冠共に最長で、歯根が長いため他の歯に比べると最後まで残っていることが多いです。
下顎の誘導
歯ぎしりなど噛んだまま下顎を横にずらす時に滑走路のような役割をしています。
歯根が長いため横揺れなどの左右の動きに強く、横揺れの動きに弱い臼歯を守ります。
この歯が削れている方はナイトガードをするなど臼歯への負担を減らす工夫が必要です。
臼歯
咬合面も大きく、歯根の数も多く、力持ちな歯です。
臼歯の中でも重要なのが前から6番目の歯、第一大臼歯になります。
永久歯の中でも1番最初に萌出し、咬合面(かむ面)も1番大きい歯です。
以前ブログで歯を失うことについて書いた時もこの第一大臼歯の重要性をお伝えしました。
下顎位の保持、垂直的支持
噛み合わせを安定させます。
臼歯で咬めないままにしていると、前歯への負担が大きくなり、全ての歯を失うきっかけにもなります。
繊維食品の切断
食物を咀嚼した時にすりつぶす働きがあります。
また脳の活性化においても重要な役割を担っており、実は触感力に最も敏感になっています。
矯正治療においては、この下顎位の保持という役割に注目し、臼歯の圧下挺出(抑えたり、伸ばしたり)をコントロールすることで咬合平面を整えていきます。
総括
歯の働きは様々です。
痛い→むし歯→むし歯除去→被せるといったように1本の歯の治療で終わってしまいがちな歯科治療ですが、総合的な観察と知識が必要ですね。
当院では一本の歯だけでなく口腔内全体、顔貌、発音を診て総合的な診断をするよう心がけています。
補綴(被せ物、義歯、インプラントなど)、矯正治療、顎関節治療など様々な方面からアプローチしていきます。
一緒に何ができるか考えていきましょう。クリニックでお待ちしております。