レントゲン写真の重要性について・硬いものは白く、柔らかいものは黒く
「虫歯で痛い」「腫れた」「噛むと痛い」様々な症状の方が歯科医院には受診します。
まず初めに症状を伝えた後、ほとんどの歯科医院では口腔内の確認後レントゲン写真を撮影する場合が多く、患者様もモノクロの画像を見たことが何度もあるかと思います。
今回は、レントゲン写真の見方・副作用はないのか等についてお話ししていきます。
レントゲン写真のみかた
レントゲンでは硬いものは白く、柔らかいプヨプヨとしたものは黒く写されます。
元々歯は大きく分けて3層構造を成しており、外からエナメル質・真ん中が象牙質・一番中心には歯髄が存在しています。
エナメル質
エナメル質はダイヤモンドと同じ硬さと言われており、レントゲン上でも硬いため白く写ります。
歯髄
逆に歯髄は神経や血管などぷよぷよとした柔らかいものは集まっており、黒く線のように写ります。
虫歯になっていると、虫歯菌により硬い歯が溶かされてレントゲン上で白く見えるべきところが黒く写っていくためお口の中からは見えない歯と歯の間の虫歯はレントゲン上で見つけることもできます。
歯槽骨
青い線より下のモヤモヤと白いものは、歯槽骨と言われる歯を支えている骨が見えています。
歯槽膿漏によって、歯が動いてきてしまっている人はこの歯槽骨の量が減って揺れてきてしまい将来的には歯を抜かざる追えなくなってきてしまします。
このように、直接口の中を見ただけでは分からない歯やその周りの組織の状態をレントゲンを撮影し症状と照らし合わせることで根本的な原因や治療の方法を見つけ出すことができるのです。
レントゲン撮影時に使用する放射線による副作用について
「被ばく線量が年間100m Sv(ミリシーベルト)を超えると発がんリスクが優位になる」と言われています。
私たち無意識に放射線を受けています。
例えば、食物から約0.99mSv、宇宙から約0.3mSv、大気から約0.48mSvを受け生活をしており、特別なものではありません。
歯科医院で使用する上の様な小さいデンタルX線の撮影一回あたりの実効線量は0.001~0.0083mSv程度(デジタルの場合0.006mSv)と、極端に低く生活上で無意識に浴びている量に比較して少ないものです。
しかし、放射線を当てることには変わりがないため妊娠中や甲状腺に問題がある方は場合によって撮影を避ける場合もあります。
当院では
①高感度フィルムを用いる
②適切な撮影により撮影の失敗を減らす
③防護衣を着用する
④デジタルX線写真を用いる等の対策により、出来るだけ体への負担を減らす対策をとっています。
正しい診査・診断・治療計画に大きな意味を持たせてくれるものがX線写真です。大きな抵抗感を感じずに撮影して頂くことをお勧めします。