歯ぐきの中の歯石とり・歯周病と抜歯・骨吸収
今回は歯茎の中の歯石取りのセミナーを受講してきました。
そもそも歯石とは何か。
歯石とは、プラーク(歯垢)が長い間歯についたままになっているとプラークに唾液中のカルシウムなどが沈着していき歯石となります。
直接虫歯の原因にはなりませんが、歯周病の大きな原因のひとつになります。
歯石には2種類ある?
1つは歯茎の上についてくる歯肉縁上歯石と、もう一つは歯茎の中についてくる歯肉縁下歯石があります。
①歯肉縁上歯石
特徴としては、黄白色でプラークが原因になります。唾液によって石灰化し、縁下歯石に比べると柔らかく形成が早いのが特徴です。
主に歯肉炎の原因になります。
②歯肉縁下歯石
特徴としては、黒褐色で歯茎からの出血が原因になります。縁上歯石に比べるとかたく量が少ないのが特徴です。
主に歯周病の原因になります。
縁下歯石は放っておくと歯を支えている骨を溶かし歯がぐらぐらし始め、ついには歯が抜けてしまうという歯周病の主な原因になります。
ここまで2種類の歯石についてお話しさせていただきましたが歯石についてご理解いただけましたでしょうか?
日々のご自身の歯磨きだったり歯科医院での定期検診がとても大切になります。少しでも「歯周病じゃないかな?」と疑問に思った方がいらっしゃいましたら、ぜひ当院まで検診にいらしてください。
よりよく健康に生きること
最近の医療は長く生きることに加えて、より良く健康に生きることがポイントになってきています。
地域に根付く歯医者として私達にできることはないか考えてみました。
せっかくクリニックに来ていただいたからには患者様には「美味しく栄養を摂って、より楽しい生活を送る」ことを手助けしていきたいですね。
美味しく食べるためには歯を残していくことが重要になります。
今回は歯を失う理由ナンバー1の歯周病について、日頃の診療で患者様と共に治療方針を考えるシーンをお話しします。
歯周病とは
磨き残しなどの汚れ、細菌が残ることで炎症がおき歯肉や歯の周りの骨が壊される病気です。
歯周ポケット(歯と歯茎の間)を測ったり、レントゲンで歯槽骨の状態を確認して進行を確認をします。
歯周ポケットは深さ4ミリを超えてくると歯周病の可能性が高いです。
重度になると6ミリを超えます。
歯の種類にもよりますが歯根は13〜16 ミリ程の長さのため歯を支える骨を半分近く失っていることになりますね。
歯を支える骨の量が少なくなると
歯を支えてくれる骨の量が少なくなると、歯が揺れるようになり食事がしにくく、痛みを感じる場合があります。
抜歯
日々の診療では歯周病が進んでおり保存が難しいため抜歯を勧めることがあります。
患者様の中には痛みがなく日常的に困っていないため経過をみることを望まれる方がいらっしゃいます。
もちろん歯周ポケットが深いから即抜歯ではなく他の残存歯との兼ね合いや患者様が抜歯を希望されない場合は残します。
ただその際のデメリットも説明をした上で決める必要があります。
悪い歯を残すと10倍も臨在歯の骨吸収を促し、歯周病リスクを上げる
歯周病における保存不可の歯を残すことのデメリットに臨在歯への影響があります。
ある研究によると歯周病により状態の悪い歯を残すと年間0.3-0.5㎜骨吸収がおき、逆に抜歯をする0.02-0.03㎜の骨吸収がおきるといわれています。
つまり悪い歯を残すと10倍も臨在歯の骨吸収を促し、歯周病リスクを上げることになるんですね。
現状大きく困っていない場合は将来のことを踏まえて決断するのは難しいところですよね。
ご相談ください!
もちろんご自身の歯のことなので最終決定は患者様にありますが、予後の悪い歯を残すこと利点欠点をお話しするよう心がけています。
緑幸会では患者様と共に治療計画を考えていきます。
皆様のご来院をお待ちしております。