上下顎ワイヤー矯正実症例(叢生、上顎前突 40代女性)
今回は矯正期間2年の患者様の矯正スタートからゴールまでを写真付きで解説しています。
上顎前突とは
前歯のみが前突しているものです。上の歯並びが下の歯並びより相対的に前方に突き出たもの・機能的なものがある。
大半が前歯の突出を伴う。一般的に出っ歯といわれるものである。
原因
先天的な原因としては遺伝的な要因。
顔面の骨格形態(上顎が大きい、下顎が小さい等)、歯の大きさなどが挙げられる。
後天的な原因としては主に成長期でのおしゃぶりや指しゃぶりや爪噛み、口呼吸等の生活習慣によるもの
また思春期の際の親知らずの萌出等が挙げられます。
症例ケース(叢生)
- 年齢:40代
- 性別:女性
- 主訴:前歯の出っ張りとガタガタがきになる
- 診断:上下歯列の叢生、上顎前突
- 治療方法:ブラケット矯正(上下顎)
- 治療期間:2年(通院24回)
- 治療料金:約80万円(基本料金+毎月調整費+リテーナー費)税込
- リスク・副作用:歯を動かす際に違和感や多少の痛みを伴うことがある。矯正装置を装着するため、虫歯や歯肉炎になるリスクが少々高まる
初診時の口腔内写真
2本の前歯が突出しているのが分かります。
また歯のガタガタもあり、全体的に前に押されている歯列になっています。
歯の真ん中の正中もかなりずれています。
今回の歯並びの場合は4番目を抜歯して、親知らずの8番目の歯を残す矯正が一番E-Lineもきれいに治せるが
患者様は全部の歯を大事にされていて、全部抜かないで治したいご要望があったので
診断した結果、口元は少し下げて非抜歯で歯を全体的に後方に動かすこととしました。
矯正開始から6か月後の写真
6か月後にはある程度ガタガタの歯並びが丸くなってきました。
上下の奥歯の銀歯は全て矯正始める前に保険のレジンで治して、歯と歯の間の隙間を利用して後方に動かしています。
そのおかげで歯並び全体が広がっているが、前歯が極端に前に出ることを防ぐことができました。
歯全体が後方に真っすぐに動くことでかみ合わせが一時的に隙間が空いているのがわかります。
矯正開始から1年後の写真
矯正開始から1年でかなり歯並びがきれいになりました。
ただ、細かい歯の傾きや捻じれが残っている
また前歯をもう少し中に入れていきたいので、ゴムメタルワイヤーを使用して患者様には顎間ゴムを
1日20時間使ってもらい、全体的に後方に下げていくこととしました。
矯正から1年半の写真
半年前の写真とはそこまで大きな変化はありません
歯が動きにくくなってきているのと、骨が固いため
しかし、歯並びは少しずつ中へ動いています。
顎間ゴムを使うのは大変ですが、1年間ほどがんばって最後までしっかり使うことができました。
2年後のワイヤー外した後の写真
2年矯正後の写真になります。
前に傾いていた歯がすべてまっすぐになり、前歯もきれいになりました。
今回のポイントはゴムメタルワイヤーと顎間ゴムとの組み合わせで歯列全体を動かすことができました。
桜新町グリーン歯科・矯正歯科院長 岡本