基礎疾患をお持ちの患者様の歯科治療について①糖尿病

糖尿病

血中のブドウ糖(グルコース)濃度(=血糖値)は各種ホルモンの作用により一定範囲内(80〜110mg/dL)に維持されています。
血糖値を降下させる唯一のホルモンであるインスリンは、膵臓のランゲルハンス島β細胞から分泌されます。
このインスリンの作用不足が生じると、慢性的な高血糖状態=糖尿病となります。

1型糖尿病

膵臓のランゲルハンス島β細胞が主に自己免疫が関与して破壊され、絶対的にインスリン欠乏となり、一旦発症すると、生涯にわたりインスリン投与が必須です

2型糖尿病

複数の遺伝因子に、過食・運動不足・肥満・ストレスといった環境因子と加齢が加わり発症、

膵臓のランゲルハンス島β細胞は疲弊しますが、通常は1型のように完全に破壊されることはありません

 

『糖尿病型』と判断される検査値

  • 空腹時血糖≧126 mg/dL
  • 随時血糖≧200 mg/dL
  • HbA1c(NGSP値)≧5%

HbA1c(%)

  • 血糖正常値を目指す際の目標値:6.0未満
  • 合併症予防のための目標値:7.0未満(FBS:130 mg/dL未満)
  • 治療強化が困難なための目標値:8.0未満

上記の指標が歯科治療の最低限の指標であるが、
可能であればHbA1c;7.0%未満(空腹時血糖値:130 mg/dL未満)が望ましい。

➞糖尿病型と判断された方は、歯科治療よりもまずは内科受診をお勧め致します。
(糖尿病の疑いがあるのに未治療であったり、糖尿病を放置していたり、コントロール不良の方)

 

糖尿病患者様の歯科治療上の注意点

糖尿病患者の歯科治療の可否は、糖尿病のコントロール状態から判断します。
糖尿病コントロール指標は、HbA1c(%)と空腹時血糖の値が用いられます。

歯科治療の最低限の指標は、HbA1c(%):8.0%未満ですが、
可能であればHbA1c(%):7.0%未満(空腹時血糖値:130㎎/dL未満)が望ましいです。

一方、糖尿病のコントロールが良好であっても、歯科治療中の血糖値の変動には注意を要します。

⑴ 低血糖性昏睡

糖尿病で薬物療法を行っている場合に血糖値が下がり過ぎてしまうことにより低血糖性昏睡が生じます。
低血糖性昏睡を起こさないために、歯科治療は基本的に朝食後1〜2時間のうちに行います。
また、飴やチョコレートなどを持参してもらい、低血糖を感じたら直ちに摂取して頂きます。

⑵ 糖尿病性昏睡(高血糖による昏睡)

高血糖となる誘因で歯科に関連して特に重要なのが、ストレス・発熱・感染です。
糖尿病性昏睡は1 型糖尿病でみられる糖尿病性ケトアシドーシスと、2型糖尿病でみられる高浸透圧高血糖症候群が存在します。
これら糖尿病性昏睡は、糖尿病を放置している患者・糖尿病のコントロール不良患者に生じやすいので歯科治療は回避し、
糖尿病の治療・血糖のコントロールを優先します。

⑶ 易感染性、創傷の易出血性、創傷治癒不全

好中球の機能低下、血管の脆弱化、コラーゲン合成障害などで生じます。
観血的治療では、術後感染予防のため抗菌薬の投与が必要です。

→血糖値が高いことにより、免疫機能が低下し、感染症にかかりやすくなっています。
これにより、歯周病が進行し易くなる傾向があります。

ペリオドンタルメディシン

高血糖状態が続くと、体内の炎症反応が強くなり、歯周組織(歯茎や骨など)の破壊が進むことがあります。
一方、重度の歯周病があると、炎症性の物質(サイトカインなど)が血流を通じて全身に広がり、
インスリンの働きを妨げることがあります。
これが糖尿病の血糖コントロールをさらに難しくし、悪化させる原因となります。

近年、歯周病は単純に口腔内の局所的な感染症としてのみならず、末梢の様々な臓器に影響を及ぼす慢性炎症と捉えられています。
これまで歯周病が関連すると報告された症候群には、メタボリックシンドロームと総称され内臓脂肪型肥満を危険因子とする2型糖尿病、動脈硬化・虚血性心疾患などの血管疾患、慢性腎臓病などがあります。
さらに、1型糖尿病、低体重児出産・早産、誤嚥性肺炎、骨粗鬆症などの関連についても報告があります。

これら歯周病と全身の健康との関連性を追求する分野はペリオドンタルメディシンと総称されます。

歯周病 糖尿病 桜新町グリーン歯科・矯正歯科

 

糖尿病患者様が気を付けるべき口腔ケア

1、毎日の徹底した歯磨き

2、定期的な歯科検診

3、口腔内の乾燥対策

4、健康的な食生活と血糖値のコントロール

 

糖尿病の方は、特に口腔内のケアを怠らず、歯科医院での定期的な検診を心掛けることが重要です。
お口の中の健康を守ることが、結果的に糖尿病の管理にも繋がり、全身の健康を保つための大切な一歩となります。
何か気になることがありましたら、是非お気軽にお声がけ下さい。

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歯科医師 山田

 

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