基礎疾患をお持ちの患者様の歯科治療について②高血圧

高血圧        

血圧とは、血液の流れが血管(動脈)に与える圧の大きさです。
血圧 = 心拍出量(一回拍出量 × 心拍数)× 末梢血管抵抗

 

・収縮期血圧  心臓が収縮した時(血液を送り出した時)に血液が血管壁を押す圧です。

・拡張期血圧  心臓が収拡張した時(血液を吸い込んだ時)に血液が血管壁を押す圧です。

 

診療室における『高血圧』と判断される検査値

収縮期血圧が140mmHg以上 もしくは 拡張期血圧: 90mmHg以上

(どちらかが当てはまれば高血圧と診断されます)

 

高血圧の分類

(1) 本態性高血圧

原因が明らかではない高血圧のことで、多因子遺伝病といいます。 (遺伝傾向、生活習慣など)

日本人の高血圧の90%以上がこれに該当するため、通常「高血圧」というと、これをさします。

(2) 二次性高血圧

原因が明らかな(=原疾患が存在する)高血圧です。

二次性高血圧の中では、腎実質性高血圧が最多です。

高血圧患者様の歯科治療上の注意点

高血圧患者の歯科治療の可否は、血圧のコントロール状態と合併症の有無で判断されます。

・収縮期血圧180mmHg以上もしくは拡張期血圧110mmHg以上

・他にも合併症(糖尿病や虚血性心疾患など)を有しており、収縮期血圧160mmHg以上もしくは拡張期血圧100mmHg以上

➞上記の場合は、歯科治療を行うよりもまずは内科受診をお勧め致します。

 

一方、コントロールが良好であっても、歯科治療中の血圧の変動には注意を要します。
歯科治療により、ストレスが加わることで、交感神経が亢進してしまい、余計に血圧が上昇してしまいます。
血圧の急上昇により、高血圧脳症などから生命の危機に関わる可能性があります。

 

歯科治療中の血圧急上昇3大要因

⑴ 精神的ストレス

⑵ 治療中の疼痛刺激

⑶ 血管収縮薬アドレナリンの大量投与

➞高血圧患者の歯科治療では、上記3つの点に配慮し治療中の血圧急上昇を防ぎます。

具体的には、

(1)精神鎮静法を併用する。

(2)十分な除痛(表面麻酔薬を併用など)を行う。

(3)局所麻酔薬で、血管収縮薬アドレナリンを含むリドカイン塩酸塩を使用しない。
または血管収縮薬アドレナリンの代わりにフェリプレシンを含むプロピトカインを使用したり、
そもそも血管収集薬を含まないメピバカイン塩酸塩を使用する。

(添付文書上、歯科用リドカイン塩酸塩・アドレナリン合局所麻酔薬は高血圧症には原則禁忌とされています)

 

リドカイン塩酸塩・アドレナリン配合局所麻酔薬の原則禁忌

〇高血圧症

〇動脈硬化

〇心不全

〇甲状腺機能亢進(バセドウ病)

〇糖尿病

原則禁忌とは、本来は使用を禁忌とする薬剤であっても、
治療上特に必要とされる場合に限り慎重に使用すべきことを意味します。

 

高血圧の患者様に安心して歯科治療を受けていただくには、血圧がコントロールされている状態であるということです。
歯科治療の前にはしっかりとお話させて頂き、患者様の体調や服薬状況に合わせた治療方法や治療期間をご提案致します。
歯科治療中も、体調に配慮しながら進めていきます。
また、少しでも緊張感を和らげてリラックスしていただけるように心掛けています。
高血圧の治療薬に変更があったり、歯科治療に関して不安なことがありましたら、お声がけ下さい。

歯科医師 山田

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