20代反対咬合 骨切りしないで治した症例
今回は骨切り、手術をしないと治せない方が来院されました。
反対咬合で手術以外で治したいとのことで、ワイヤー矯正のみで治療したケースになります。
反対咬合とは
一般的に受け口とも呼ばれています。
反対咬合の原因は何か?
- 上下の前歯の傾斜:下の前歯が前に傾いて、上の歯より外に倒れている状態
- 骨格の異常:下あごの骨の成長が上あごの骨の成長を超えてしまう
- 遺伝的要因:ご家族の方に反対咬合がいた場合、遺伝します
- 歯の生え変わりがうまくいかなかった:歯がなかなか生えてこない、早期に歯が抜けてしまったり
- 顎や舌を突き出す癖:下あごを前に出す癖があると、下が過成長したり、舌を突き出すと下の前歯が傾いたりします
- 鼻疾患:鼻づまりで口呼吸になり、下顔面の成長が大きくなってしまう
反対咬合は、成長期に放置すると骨格的な下顎前突という難しい症例へと進行する可能性があります。
早期の治療開始が推奨されています。
反対咬合による悪影響?
次のようなものがあります。
- 顔がしゃくれる:下あごの突出感がでて、唇の凹みが目立つ
- サ行やタ行等の発音が不明瞭になる:舌で上あごの裏側にあてる発音で、空気が漏れてしまう
- 虫歯や歯周病になりやすい:お口を閉じにくくなり、口腔内が乾燥して細菌が増えてしまう
- 咬む能力が低下することがある:反対咬合の方は前歯で物をかみにくい傾向があるので、消化にも影響する
- 顎関節症の原因になることがある:常に下あごに負担がかかっているので、顎関節の変形や不具合が起きやすい
反対咬合の治療方法
反対咬合には骨性によるものと歯性によるものと別れます。
下あごの骨があまりにも大きく、上あごの骨との差が大きい場合、または下あごの骨の変形があり左右非対称の場合は
手術(骨切り)を必要とします。
かみ合わせや歯の生え変わりで反対のかみ合わせになった場合は、上下の骨の大きさに大きな差が無い場合は
歯並びを治すことで正常のかみ合わせにすることができます。
症例ケース(叢生)
- 年齢:20代
- 性別:女性
- 主訴:受け口が気になる
- 診断:上下前歯の反対咬合
- 治療方法:ブラケット矯正(上下顎)
- 治療期間:18か月(通院20回)
- 治療料金:約87万円(基本料金+毎月調整費+リテーナー費)税込
- リスク・副作用:歯を動かす際に違和感や多少の痛みを伴うことがある。矯正装置を装着するため、虫歯や歯肉炎になるリスクが少々高まる
初診時の写真
下の歯並びはほとんどガタガタがなく、きれいな状態です。
しかし上の歯は前歯が窮屈になり、中傾いています。
その結果下の前歯が前にいて、上の前歯が後ろにいて反対咬合になっています。
矯正の検査をして、骨格的には上下の骨の大きさに大きな差はなかったので、非抜歯かつ手術も不要で
ワイヤー矯正のみで治す方針となりました。
6か月後の写真
矯正始めてから6か月の写真になります。
反対のかみ合わせは無くなりました。
上の前歯が中に食い込んでいた状態になっていたので、横の奥歯の高さを上げて、上の前歯を前に出しました。
これだけでもかなり見た目も、かみ合わせも改善されて食事が楽になったという感想をいただきました。
矯正開始から10か月
開始から10か月が経ちました。
半年のときの写真との変化が分かりにくいですが、下の歯並びが前に広がっていて大きかったので
横幅が少し広げて前歯を中にいれました。
そうすることで前歯同士のあたりがなくなり、矯正後の後戻りもしにくくなります。
矯正後の写真
綺麗に見た目も、かみ合わせも治りました。
患者様も満足していただきました。
このように反対咬合=手術をしないと治らない ということではないので
矯正あきらめた方はぜひご相談ください。
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院長 岡本