患者様からのインプラントの疑問にお答えします。
歯を失うことになってしまった場合、挙げられる治療方法は大きく分けて3つあります。
1.入れ歯 2.ブリッジ 3.インプラント
この中でも聞きなじみが少なく、疑問点が多いのがインプラントではないでしょうか。
今回は患者様から多く質問頂いた内容を回答していきます。
始まりは骨髄の役割を研究するためにウサギの骨にチタン製の器具を埋め込んだところ研究終了後に器具を取ろうとしても取れなくなったところから、チタンと骨は強固に結合することが発見されました。この発見により歯が埋まっていた骨にチタン製のネジを埋め込み、歯の代用として活用されているのが現在普及する口腔内インプラントです。
口腔内インプラントはどのような構造になっているのか
インプラントの多くは3つの部品からなります。骨の中にはインプラント体(フィクスチャー)が埋め込まれておりその上にアバットメントがネジで組み込まれ、またその上に人工歯がセメントもしくはネジで固定されています。
Q1:インプラントのメリットは何か?
インプラントの最大のメリットは他の歯へ悪い影響を与えず、失った歯と同じ機能を果たしてくれることです。入れ歯やブリッジは失った歯と隣り合う歯を削ります。削ったのちに、失った歯の分の負荷がプラスでかかるため力に耐えきれず寿命が短くなってしまいます。またインプラントの寿命も長く再治療のリスクはかなり低いのもメリットです。
Q2:インプラントはどれくらいもつか?
インプラントの10年~15年の生存率は上の歯に対しては90%、下の歯に対しては94%と高い数値を誇ります。(厚生労働省より)
Q3:インプラントは痛い?
麻酔を行ったうえで処置をするため、痛みはほとんどありません。麻酔が効きずらい時は、麻酔を追加し負担が少ない状態で進めるので歯科医師に伝えましょう。
Q4:術後痛み腫れはあるか?
多くの場合は傷口が安定するまでは、痛み止めを内服してもらい経過をみることになります。痛みの程度は人それぞれで一概に痛みがないとは言いきれません。
Q5:インプラントは誰でも受けられるのか?
全身状態に問題がなく、成長期間でなければうけることが可能です。例えば、糖尿病や高血圧など慢性疾患があったとしても、医科との連携のもと、コントロールされている場合手術は可能です。
Q6:インプラントは入れてからすぐに食べれるようになるのか?
術後3~4か月は待機時間が必要です。インプラント体を骨に埋めてからインプラントと骨が結合するには力を与えず安静にすることで成功率は上がります。
他疑問点や不安なことがあればお答えいたします。お気軽にご相談ください。
歯科医師 木村采香