宮地の咬合三角について
こんにちは。
本日のブログでは宮地の咬合三角についてお話ししたいと思います。
宮地先生は東京歯科大学の著名な先生で、咬合三角に関しては入れ歯の指針としてよく用いられている考えを提唱なさった先生です。
この三角は咬合崩壊(だんだん歯が減少し、噛めるところが減り、噛めなくなっていくこと)の予測に大いに役立ちます。
大学時代にこの咬合三角の考えに触れ感銘を受け、宮地先生の著書「症例でみる欠損熾烈・欠損補綴 レベル・パターン・スピード」の書籍は研修医時代に何度も読み返したくらい大好きな本です。
その後、実際に宮地先生の講演を拝聴する機会があり、先生の症例への分析や、初期の頃の治療に関するフィードバック等を伺い、大変勉強になりました。
さて、そんな宮地先生の咬合三角ですが(論文でも宮地の咬合三角と記載があるので、以降はその表記にします)、当時学生だった私が1番衝撃を受けたポイントは、
「ほとんど歯がない時よりも、歯がなくなっていく過程の時が一番の難所である」
です。
歯が残っている本数が多ければ、クラスプ(入れ歯についているワイヤー)を歯にかけられますし安定することが多いのですが、本数はあれど、奥歯がすれ違いになってしまうと、入れ歯が食い込んでしまい患者様ご自身としては噛みづらくて辛いステージになることもあります。
このステージに関してはCummerの分類がわかりやすいです。左右臼歯群と前歯群とを3ブロックに分け、上顎3ブロック、下顎3ブロックの合計六ブロックで、どのブロックが欠けているか満ちているかを64パターンに分けたものです。こCummerの分類をわかりやすく特性を切り抜いて作られたものが図のものになります。
片側だけで噛むリスク
たとえば右下臼歯部がなくなったとき(17番)、「右が噛みにくくなったな。じゃあ左でかもう」と左側ばかりで噛むようになる場合もあります。(生体の適応ともいえます)
すると左側臼歯にばかり負担がかかり、ついには左下か左上の喪失に繋がることもあります。(41番か18番)
そうすると、再び噛む場所を探してその場所で頑張って噛むこよにより、他の部位の喪失につながる、という流れになってしまうこともあります。

補綴による治療介入のタイミングを逃さない
では、どこか1ブロックだけでもかけたら崩壊の運命は防げないのか、ということではなくいくつかの兆候が併発していれば早い時期から積極的な補綴介入ができるように歯科医師側が準備をしておくことが重要であり、また患者様にも「このままにしておいてしまうと、このような道筋を辿る可能性が高くなる」ということを伝えて意識していただくことで、補綴による治療介入のタイミングを逃さないことが大切になります。
治療をしていて、ありがたいと日々感じることは、通院してくださる患者様たちが、私共の話に耳を傾け、ご自身の未来のために補綴の介入のタイミングをご理解いただき、治療に協力してくださることです。
当院では定期的なレントゲンの他に口腔内写真を撮らせていただき経過を追っておりますが、「崩壊が始まってしまいそうです!」とご説明し、意欲を持って治療に来てくださり、その後のメインテナンスで何年も崩壊が進行せず維持できている状態を患者様とiPadの口腔内写真を見ながら共有しているとき、患者様の理解と協力なく維持できるものではないため、いつもありがたく幸せだと感じております。
さて、今回は導入のCummerの分類の話がメインになってしまいましたが、次回は宮地の咬合三角について詳しくお話ししていきたいと思います。
歯科医師 川端







