歯ぎしり・食いしばりはなぜ起こる?放置するとどうなるのか

「朝起きると顎が疲れている」
「肩こりや頭痛が続く」
「歯が欠けたことがある」

このような症状は、歯ぎしりや食いしばりが関係しているかもしれません。
歯ぎしり・食いしばりは、無意識のうちに行われることが多く、実は多くの方に見られる習慣です。
特に睡眠中の歯ぎしり(ブラキシズム)は自覚しにくく、気づかないまま歯や顎に大きな負担をかけ続けているケースも少なくありません。
一時的な癖と思われがちですが、長期間続くことで歯だけでなく、顎関節や筋肉、全身にまで影響を及ぼすことがあります。

■ 歯ぎしり・食いしばりの原因とは?

歯ぎしりや食いしばりは、ひとつの原因だけで起こるものではなく、さまざまな要素が重なって起こると考えられています。
代表的な原因としては、

・ストレスや精神的緊張
・噛み合わせの不調和
・歯並びの影響
・睡眠の質の低下
・カフェインやアルコールの摂取
・日中の食いしばり癖

などがあります。
特に現代では、仕事や育児、人間関係などによるストレスから、無意識に歯を強く噛み締めてしまう方が増えています。
また、本来上下の歯は普段接触していないのが正常な状態です。
しかし、食いしばりの癖がある方は、日中も気づかないうちに上下の歯を接触させ続けています。これが筋肉の緊張や顎への負担につながります。

■ 食いしばりで働く筋肉について

歯ぎしりや食いしばりでは、顎周囲の筋肉が強く緊張します。
特に大きく関わるのが、

・咬筋(こうきん)
・側頭筋(そくとうきん)
・内側翼突筋(ないそくよくとつきん)
・顎二腹筋(がくにふくきん)

などの筋肉です。
咬筋はエラの部分にある筋肉で、強く噛む時に大きな力を発揮します。
食いしばりが続くと、この筋肉が過剰に発達し、「エラ張り」の原因になることもあります。
側頭筋はこめかみ部分の筋肉で、緊張すると頭痛やこめかみの痛みにつながります。
さらに、首や肩周囲の筋肉まで影響が及ぶことで、肩こりや首の痛みを感じる方も少なくありません。

食いしばり 内側翼突筋(ないそくよくとつきん) 顎二腹筋(がくにふくきん

■ お口の中への影響

歯ぎしり・食いしばりでは、通常の食事以上の強い力が長時間かかります。睡眠中には、自分の体重以上の力が歯に加わることもあるといわれています。
その結果、

・歯のすり減り(咬耗)
・歯のヒビや破折(クラック)
・詰め物・被せ物の破損
・知覚過敏
・歯の根元の欠け

など、さまざまなトラブルが起こります。
特に歯のヒビは見た目では分かりにくく、放置すると神経の炎症や抜歯につながることもあります。
また、歯だけでなく歯を支える骨や歯ぐきにも大きな負担がかかります。
そのため、

・歯周病の悪化
・歯のぐらつき
・歯ぐきの腫れ

などを引き起こすケースもあります。

■ 全身への影響

歯ぎしりや食いしばりの影響は、お口の中だけではありません。
代表的なのが顎関節症です。

・口が開けにくい
・顎が痛い
・カクカク音が鳴る
・食事の際に違和感がある

といった症状が現れることがあります。
さらに、筋肉の緊張が続くことで、

・頭痛
・肩こり
・首こり
・顔のだるさ
・睡眠の質の低下

など、全身症状として現れることもあります。

「原因不明の肩こりや頭痛が、実は食いしばりだった」

というケースも少なくありません。

■ 対策・治療方法

歯ぎしりや食いしばりを完全にゼロにすることは難しいですが、歯や顎への負担を軽減することが非常に重要です。

① ナイトガード(マウスピース)

最も一般的な治療法です。
就寝時に装着することで、歯へのダメージを軽減し、被せ物や歯の破折を防ぎます。
また、顎関節や筋肉への負担軽減にも効果があります。

② 噛み合わせの調整

特定の歯だけに強い負担がかかっている場合は、噛み合わせを調整することで力を分散させます。
ただし、必要以上に歯を削ることは避け、慎重な診断が重要です。

③ 生活習慣の改善

ストレス管理や睡眠の質の改善も非常に大切です。

・寝る前のスマホを控える
・カフェインを摂りすぎない
・リラックスする時間を作る

など、日常生活の見直しが症状改善につながることがあります。

④ 日中の食いしばりを意識する

上下の歯は、本来リラックス時には接触していません。
「気づいたら歯を離す」という意識を持つだけでも、筋肉への負担軽減につながります。

■ 早めのチェックが大切です

歯ぎしりや食いしばりは、自覚がないまま進行することが多い症状です。
しかし、放置すると歯や顎へのダメージは少しずつ蓄積していきます。

・歯がすり減ってきた
・詰め物がよく外れる
・朝起きると顎が疲れている
・頭痛や肩こりが続く
・歯にヒビが入ったことがある

このような症状がある場合は、歯ぎしり・食いしばりのサインかもしれません。
早めに歯科医院でチェックを受け、適切な対策を行うことで、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
ぜひ桜新町グリーン歯科・矯正歯科までご相談下さい。

歯科医師 鈴木花

顎関節症・あごの痛み

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