矯正治療症例【ワイヤー矯正】20代男性・40代女性
ワイヤー矯正2症例
ケース1:開咬
開咬とは奥歯をしっかり噛み締めた状態でも、前歯や横の歯が噛み合わずに隙間が空いてしまう噛み合わせのことです。専門用語ではオープンバイトとも呼ばれます。
リスク
奥歯への過度な負担、発音への影響、消化不良による胃腸への負担、口腔乾燥
原因
幼少期の癖、骨格的遺伝

症例1:開口(20歳男性)
主訴:前歯が噛み合わず、前歯で噛みにくい。
所見:前歯が開口。奥歯のみ接触。歯列自体は大きな乱れなし。
治療:上下ワイヤー矯正。非抜歯矯正治療
約1年8か月でオーバーバイト2mmを獲得。
治療回数:28回
費用:83万円
反省点:左右犬歯部に軽度の隙間残存。犬歯が高位で、結紮+顎間ゴムで牽引後にブラケット編入。もう少し下げられた可能性あり。
高位犬歯はワイヤーを通す前に結紮+顎間ゴムで下降させ、並んでから編入。
治療過程で「4・5のみが当たる時期」が生じることはある。
必要に応じて側方拡大も併用。
追加改善案:右上3・4・左上3のブラケット位置を1mm深く調整し、ワイヤーで自然降下を促す/3・3・4(下3・下4含む)に三角形顎間ゴムで被蓋を深くする
患者さまへの説明の方針:専門用語を控え、奥歯の早期接触を後方へ調整し、前歯をわずかに伸ばして咬合平面を一直線にするイメージで説明。実際はブラケット装着→臼歯を悪化(圧下)→小臼歯を噛ませる→前歯と小臼歯を一直線化(顎間ゴム併用)。
症例2:前歯叢生・右上6欠損(40代後半女性)

主訴:前歯のガタつき。
所見:上顎前歯部の典型的叢生。全体的に前方傾斜。右上6欠損、7在位、8は埋伏。歯周病による骨吸収・歯肉退縮あり。
初期希望:上顎2番のみ補綴希望。しかし下顎前突傾向により補綴単独では前歯突出が増すため、矯正を提案。
費用:84万円
治療:動きにくさを考慮し慎重に進行。約2年半。傾斜歯を直立化し、右上6部位は7を近心移動、8を萌出させて6の空隙を7・8で補填。
通院回数:33回

反省点:右上7がわずかに近心傾斜の残存。牽引中の動揺が強く、顎間ゴムの交換・牽引力を毎回チェックする必要があった(ワイヤー切断に気づかず交換したことがあり、以後管理徹底)。
評価・計画:全体として整った仕上がりで保持も良好。右下6の補綴(CAD/CAMまたはジルコニア)予定。6欠損症例は難度が高いが咬合の維持は良好。
今回の矯正治療の総括
開口治療では「支点(主に小臼歯)」「力の方向」「顎間ゴムの配置」を戦略的に設計し、過度な臼歯提出を避ける。
欠損併発・歯周リスク症例では力加減と装置管理を厳密化し、近心移動や萌出誘導を計画的に実施。
追加微調整はブラケットポジション変更と三角ゴムで被蓋を最適化。患者希望と審美・機能のバランスを都度評価。
歯科医師 岡本







