小児矯正で大切なのは「歯」ではなく「あごの成長」です

成長期にあごが本来の大きさまで育つ環境を整える

「子どもの歯並びは遺伝だから仕方がない」と思われる方は少なくありません。
しかし、近年では歯並びの悪さは遺伝だけでなく、
あごの成長不足が大きく関係しているケースが多いことがわかっています。
歯は本来、きれいに並ぶための大きさや本数が決まっています。しかし、それらを支えるあごが十分に成長しなければ、歯が並ぶスペースが足りず、ガタガタの歯並びや出っ歯、受け口などの不正咬合につながります。
つまり、小児矯正で大切なのは、単に歯を動かすことではなく、成長期にあごが本来の大きさまで育つ環境を整えることです。

あごは「使うことで成長する」

骨や筋肉は、適切な刺激を受けることで発達します。
あごも同じで、毎日の食事や姿勢、口の使い方が成長の大切な刺激になります。
現代の食生活は柔らかいものが多く、短時間で食べ終わることも増えています。
その結果、あごをしっかり使う機会が減り、十分な発育刺激が得られないまま成長期を過ごしてしまうお子さんが少なくありません。
だからこそ、小児矯正では装置だけに頼るのではなく、毎日の生活習慣を見直すことが重要です。

食生活を見直して、あごの成長をサポートしましょう

1. 正しい姿勢で食べる

食事中の姿勢は意外と見落とされがちですが、とても重要です。
猫背になったり、足がブラブラした状態では、しっかり噛む力が発揮できません。
また、舌や口の周りの筋肉も正しく働きにくくなります。
椅子には深く腰掛け、足裏が床や足台にしっかりつく姿勢を意識することで、自然と噛む力が入りやすくなり、あごへの良い刺激につながります。

2. 食事中は水やお茶をできるだけ飲まない

食事中に頻繁に水やお茶で流し込む習慣は、噛む回数を減らしてしまいます。
口の中の食べ物は、しっかり噛んで唾液と混ぜることで飲み込みやすくなります。
飲み物で流し込むと、この大切な過程が省略され、あごへの刺激も少なくなってしまいます。
食事中は必要以上に飲み物を飲まず、食べ物をよく噛んでから飲み込む習慣を身につけましょう。
もちろん、むせやすい場合や体調によっては無理をせず、水分補給を優先してください。

3. 食材選びを工夫する

あごを育てるためには、自然と噛む回数が増える食材を選ぶことも大切です。
例えば、

れんこん、ごぼう、にんじん、きのこ類、こんにゃく、海藻類、りんご

などは、しっかり噛む必要があります。
反対に、柔らかいものばかりが続くと、噛む回数が減ってしまいます。
食材を少し大きめに切る、煮込みすぎないなど調理方法を工夫するだけでも、噛む回数を増やすことができます。

4. 一食15分以上かけて食べる

忙しい毎日では食事時間が短くなりがちですが、早食いは噛む回数を大きく減らします。
一口ごとによく噛み、一食あたり15分以上かけてゆっくり食べることを目標にしましょう。
しっかり噛むことであごに発育刺激が加わるだけでなく、唾液の分泌が増えて虫歯予防や消化の助けにもなります。
また、満腹感も得られやすくなるため、食べ過ぎの予防にもつながります。

5. 前歯をしっかり使う

食べ物を前歯でかじり取る動作は、あごの成長にとても重要な役割があります。
最近は一口サイズに切られた食事が多く、前歯を使う機会が減っています。
しかし、前歯でかじる動きは口の周りの筋肉やあごに良い刺激を与えます。

「前歯でかじって、奥歯でしっかり噛む」

という本来の食べ方を意識することが、健やかな口の発育につながります。
理想的には必ず1食で1品は前歯でかぶりつくものを食べて頂きたいです。
例えば、

骨付き肉、唐揚げ、海苔巻きおにぎり、とうもろこし、野菜スティック、果物(りんご、スイカなど)

おかずでなくてデザートでも構いません。

食べる姿勢 小児歯科 顎を育てる

毎日の積み重ねが将来の歯並びをつくります

小児矯正は、装置をつければ終わりという治療ではありません。
成長期だからこそ、毎日の生活習慣があごの発育に大きな影響を与えます。
歯並びが悪くなる原因の一つであるあごの成長不足は、日々の食生活や口の使い方を見直すことで改善を目指せる場合があります。

正しい姿勢で食べること

水やお茶で流し込まないこと

噛み応えのある食材を選ぶこと

15分以上かけてよく噛むこと

前歯をしっかり使うこと

こうした毎日の習慣が、お子さんのあごの健やかな成長を支え、将来の美しい歯並びにつながります。
成長期は一度しかありません。
だからこそ、この大切な時期に「あごを育てる」という視点を持ちながら、お子さんの食生活や生活習慣を見直していくことが、小児矯正の成功への第一歩となります。
まずはいま現在、成長が順調に進んでいるのか、お口の中をチェックしてみましょう。
適切な時期に介入できれば矯正は難しいことではありません。
まずはお気軽に桜新町グリーン歯科・矯正歯科にお口の中のチェックにいらしてください。

      歯科医師 鈴木花

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