親知らずに関するQ&A
新年明けましておめでとうございます。
院長の岡本です。
寒い日がこれから続くと思いますが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
今回は歯医者にかかる原因の上位を占める親知らずについてのQ&Aを記載していきたいと思います。
質問1:親知らずってそもそも何か?
回答:親知らずとは前歯を1とすると、前から数えて8番目の歯の事です。
第3大臼歯や智歯とも言われます。8番目の歯が見え無くても、骨の中に埋まっていることもあります。また、近年ではヒトの顎が小さくなりつつあるので親知らず自体が無いということもあります。
質問2:親知らずを抜いた後は腫れるというイメージがあるのですが実際は?
回答:腫れるケースはあります。ただ全部の親知らずが腫れるわけではありません。
上の親知らずの抜歯はほとんど腫れません。
下の親知らずの抜歯では、人によっては腫れが大きく出ることがあります。
腫れた場合は3日目~4日目頬の膨らみがあります。
その後1週間前後で腫れは引きます。かなり大変な親知らずの抜歯の場合は1か月ほど違和感が残ることもあります。
質問3:親知らずを抜いたあとは痛いですか?
回答:痛みの程度は個人差ありますが、ほとんどは痛みが出ます。
上の親知らずの抜歯での痛みはそこまで強くは出ません。
下の親知らずの抜歯での痛みは強く出る場合があります。
痛みのピークも腫れと同様に3日目~4日目が1番痛みます。
その後おおよそ2~3週間は痛みが続きますが、徐々に引いていきます。症状がつらい場合は痛み止めを処方しておりますので、安心してください。
質問4:よく親知らずは抜いた方がいいと聞きますが、痛みがなくても抜いた方がいいのですか?
回答:お口の状況によります。
親知らずに痛みが無くても親知らず自体もしくは隣の歯にむし歯が出来ていれば強い痛みが出る前に抜いたほうが良いです。
また斜めに生えている場合、頭が少ししか出ていない場合は歯ブラシが届きにくく腫れ、口臭を起こす原因になるので、抜歯を考えたほうが良いです。まっすぐ生えており、歯ブラシが行き届いていれば、そのまま残しておくのもいいでしょう。また、歯科矯正を今後考えている場合は親知らずが使える歯になり得るので、その場合は主治医と相談するのが良いでしょう。
質問5:知人が親知らずを抜いて、顔が痺れたと聞きました。そういうこともありますか?
回答:難しい親知らずがそうなり得ることもあります。
下の顎の骨の中には太い血管と神経が通っている管があります。
その管を抜歯の際に傷つけてしまうと、お顔の痺れが出る事があります。
お薬を飲んでもらって多くの場合半年~1年程度で痺れが取れますが、稀にずっと痺れるというケースもあります。
ですので、難しい親知らずの場合は抜歯する前に必ずCT撮影をして親知らずと神経の位置をしっかり調べることでより安全に抜歯することができます。
こちらでは抜けない歯、リスクが高いと判断した場合は提携の大学病院に紹介させていただくことが可能です。
質問6:親知らずの抜歯の費用は?保険適応?
回答:保険適応の治療になります。
一般的な抜歯だけであれば約1500~2000円程度です。初診料やレントゲン検査を含めると3千円ほどかかることもあります。
また難しい抜歯においてはCT撮影をする場合は、約7000~8000円かかります。
質問7:横に倒れている親知らずはどうやって抜くのですか?
回答:親知らずが横に倒れている、もしくは埋もれている場合は歯茎を切開して周りの骨を削る、もしくは歯を削り小さく砕いていく事で抜歯をします。
質問8:難しい親知らずの抜歯は大学病院しかできないのでしょうか?普通のクリニックでも抜けますか?
回答:ほとんどの場合はクリニックで抜歯可能です。
ただ、既往歴がある方や、リスクがかなり高いケースでは大学病院を紹介する事もあります。
質問9:親知らずの抜歯をした後はどれくらいで食事ができますか?
回答:抜歯した1時間後には食事ができます。
ただ抜歯をした所は大きな穴が空いていますので、物が挟まりやすいです。できるだけ2週間程度は反対側で食事をすると良いでしょう。
質問10:親知らずを抜歯した後数日たった後に、ものすごい痛くなることがあると聞いたことがありますが、それはなんですか?
回答:ドライソケットの可能性があります。
抜歯をした後、その穴の中に血液が徐々に溜まりそれが固まることで少しずつ治っていきます。
しかし、強く洗口したり、傷口を触ったりすることで抜歯した穴に溜まっている血液のフタが外れてしまう場合があります。そうすると穴がむき出しになり、強い痛みやひどい匂いがしてきます。それをドライソケットと言います。
このケースではもう一度麻酔をして、抜歯したところにお薬を入れたり、あえて傷つけて、出血をさせたりすることで、再度カサブタを作ることもあります。
質問11:親知らずの抜歯をした後はどのくらいで血が止まりますか?
回答:通常は30分圧迫止血をすると止まります。
数日は唾液に血液が混ざるので、びっくりされる方がいますが大きな心配はありません。
それでも、血をサラサラにするお薬を飲んでいる場合は血が通常より止まりにくいので、その場合はしっかり止血が必要になります
質問12:親知らずを抜歯した後の注意事項は何ですか?
回答:4つございます。
①ガーゼを噛んでいただきます。そのガーゼは、30分程度で捨てて結構です。唾液に血が混ざる程度でしたら、心配ありません。多量に出血する際は、新たにきれいなガーゼ、もしくはコットン等を出血しているところで噛んで、圧迫してください。
②血が止まっても、運動・お酒・お風呂に長時間はいるなど体温を上昇させてしまうと再度、出血や腫れが出てしまうこともありますので、本日は安静にしておいてください。また、歯を抜いたところは歯ブラシをあてない様お願い致します。
③薬は指示通りお飲み下さい。
抗生物質が出た際には、毎食後なくなるまでお飲み下さい。
痛み止めは、痛みが出た時のみお飲み下さい。
④明日できましたら消毒をしたいと思いますので、そのアポイントを取らせていただきます。消毒はすぐに終わります。ご都合のよろしいお時間を受付にて指定してご来院下さい。