歯科医師が教えるインプラント治療の真実と注意点
インプラント治療とは?基本的な仕組みと特徴
インプラント治療は、失った歯の機能と見た目を取り戻すための画期的な治療法です。私は日々の臨床で多くの患者さまにインプラント治療をご提供していますが、その仕組みをご存知ない方も多いのではないでしょうか。
インプラントとは、チタン製の人工歯根(インプラント体)を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。天然歯に最も近い見た目と機能(噛む力)を取り戻せる方法として、世界中で広く普及しています。
インプラントの歴史は意外と古く紀元前の古代エジプトやメソポタミア文明で象牙、動物の歯や貝殻など様々な素材で失った歯を補う試みがあったと考えられています。しかし現代のインプラント治療の基礎となったのは、1952年にスウェーデンの整形外科医ブローネマルク博士が発見した「オッセオインテグレーション」というチタンと骨が直接結合する現象です。現在のインプラント治療の成功を支える重要な発見でした。
天然歯とインプラントの大きな違いは、歯根膜の有無です。天然歯は歯根膜という組織で顎の骨と繋がっていますが、インプラントは直接骨と結合します。このため、噛んだ時の感覚や衝撃の吸収の仕方が若干異なります。

インプラント治療のメリットと適応症例
インプラント治療には、他の歯の欠損補綴法と比較して多くのメリットがあります。私の臨床経験から、特に患者さまに喜ばれるポイントをご紹介します。
まず最大のメリットは、天然歯に最も近い感覚で噛めることです。インプラントは顎の骨にしっかりと固定されるため、入れ歯のようなグラつきがなく、硬いものでもしっかり噛むことができます。
また、隣接する健康な歯を削る必要がないことも大きな利点です。ブリッジでは両隣の健康な歯を支えとして削る必要がありますが、インプラントではそれが不要です。
さらに、顔の形を維持できることも見逃せません。歯を失うと、その部分の顎の骨が徐々に減っていきますが、インプラントは骨に刺激を与え続けるため、骨の吸収を防ぎ、顔の形を保つことができるのです。
インプラント治療が特に適しているのは、以下のような患者さまです。
- 1本〜数本の歯を失った方
- 入れ歯の違和感や不安定さに悩んでいる方
- 健康な歯を削りたくない方
- 見た目や噛み心地にこだわりたい方
- 全身状態が良好で、十分な骨量がある方
あなたはどうですか?もし当てはまる点があれば、インプラント治療が選択肢の一つになるかもしれませんね。
インプラント治療の流れと期間
インプラント治療は、カウンセリング・相談から始まり、複数のステップを経て完了します。治療の全体像を把握しておくことで、安心して治療に臨めるでしょう。
まず初診時にカウンセリングと口腔内の撮影を行い、当院のインプラント治療の流れをご説明します。ご希望があれば詳細な検査(虫歯の有無・歯周病・CT撮影・模型どり)をして診断を行います。レントゲンやCTで顎の骨の状態を確認し、口腔内の状態や全身の健康状態もチェックします。
その後、治療計画を立て、患者さまにご説明します。ここで治療内容や費用、期間などについて十分に理解していただくことが大切です。
ご希望でしたらインプラント手術と上部構造製作の契約になります。
オペ前に必要な虫歯治療、歯周病治療、クリーニングをして口腔内の清潔を保てる環境にします。
そしてインプラント体(人工歯根)の埋入手術です。局所麻酔をして痛みを抑え、顎の骨にインプラント体を埋め込みます。手術時間は1本あたり30分〜1時間程度です。
オペ後、インプラントと骨が結合するのを待ちます。これが「オッセオインテグレーション」と呼ばれる過程で、通常2〜6ヶ月かかります。この期間は個人差があり、骨の状態や埋入部位によって変わります。術後の経過を診るため月1回クリーニングをさせていただきます。
骨との結合が確認できたら、二次手術を行い、アバットメント(連結部)を装着します。そして最終的に、人工の歯(上部構造)を取り付けて治療完了です。
全体の治療期間は、標準的なケースで3〜8ヶ月程度ですが、骨造成などの追加処置が必要な場合は、さらに時間がかかることもあります。
インプラント治療の注意点とリスク
インプラント治療は高い成功率を誇りますが、どんな医療行為にもリスクはつきものです。私は患者さまに安心して治療を受けていただくため、起こりうるリスクについても正直にお伝えしています。
まず知っておいていただきたいのは、インプラントの成功率です。適切な症例選択と治療計画、そして術後のケアが行われれば、インプラントの成功率は90%以上と言われています。しかし、100%ではないことを理解しておく必要があります。
インプラント治療における主なリスクには以下のようなものがあります。
- 手術に伴う一時的な腫れや痛み
- 神経や血管の損傷(まれ)
- 感染症
- インプラント周囲炎(インプラント周囲の炎症)
- オッセオインテグレーションの失敗(インプラントと骨の結合不全)
特に注意が必要なのは、喫煙者や糖尿病などの全身疾患をお持ちの方です。これらの要因はインプラントの成功率を下げる可能性があります。
また、骨粗しょう症の治療薬を服用されている方も注意が必要です。特にビスフォスフォネート製剤やデノスマブなどの薬剤は、まれに顎骨壊死というリスクを高める可能性があります。こうした薬剤を服用中の方は、必ず歯科医師と内科主治医に相談することが重要です。
インプラント治療を受けるなら、リスクを最小限に抑えるために、経験豊富な歯科医師を選ぶことが大切です。当院では、最新の設備を活かし、安全で確実なインプラント治療を心がけています。
インプラント治療後のケアと長期的な管理
インプラント治療の成功は、手術で終わりではありません。その後の適切なケアと定期的なメンテナンスが、インプラントを長持ちさせる鍵となります。
インプラント自体は虫歯にはなりませんが、周囲の歯肉や骨は炎症を起こす可能性があります。これが「インプラント周囲炎」と呼ばれる状態で、放置するとインプラントが脱落する原因になることも。
日常のケアで最も重要なのは、丁寧な歯磨きです。特にインプラントと歯肉の境目は念入りに清掃しましょう。通常の歯ブラシに加え、歯間ブラシやデンタルフロスの使用もおすすめします。
また、定期的な歯科検診も欠かせません。プロフェッショナルクリーニングを受け、早期に問題を発見・対処することが重要です。当院では、インプラント治療後の患者さまに3〜6ヶ月ごとの定期検診をお勧めしています。
喫煙や過度の飲酒は、インプラント周囲の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。また、強い力でのかみしめや歯ぎしりもインプラントに負担をかけるため、必要に応じてナイトガードの使用も検討しましょう。
当院では、インプラントをはじめ補綴治療に関して10年間の保証をつけています。定期的なメンテナンスを受けていただくことを条件に、安心していただけるようサポートしています。
インプラントは適切なケアを続ければ、10年以上、場合によっては一生使い続けることも可能です。天然歯と同じように大切にケアしていきましょう。

インプラント治療の費用と保険適用について
インプラント治療を検討する際、気になるのが費用の問題ではないでしょうか。ここでは、インプラント治療にかかる費用と保険適用の可能性について解説します。
まず結論から申し上げると、一般的なインプラント治療は自由診療(保険適用外)となります。1本あたりの費用は、インプラントのシステムや治療内容によって異なりますが、30万円〜50万円程度が相場です。
この費用には、インプラント本体の材料費、手術費、上部構造(人工の歯)の費用などが含まれます。また、骨造成やガイドの作成などの追加処置が必要な場合は、別途費用がかかることもあります。
ただし、2022年から一部のインプラント治療に保険が適用されるようになりました。これは「広範囲顎骨支持型装置」と呼ばれるもので、顎の骨の大部分を失った方や、がん治療などで顎の骨を切除した方が対象です。一般的な歯の欠損では適用されないため、注意が必要です。
当院では、患者さまの経済的負担を少しでも軽減できるよう、リーズナブルな料金設定を心がけています。また、分割払いにも対応していますので、お気軽にご相談ください。
なお、インプラント治療は医療費控除の対象となります。年間の医療費が一定額を超えた場合、確定申告をすることで税金の一部が還付される制度です。領収書は大切に保管しておきましょう。
費用面で不安がある方も、まずは無料相談にお越しください。あなたの状態に合わせた最適な治療法と費用について、丁寧にご説明いたします。
インプラント治療を成功させるための選び方
インプラント治療の成功には、適切な歯科医院・歯科医師選びが非常に重要です。私自身、インプラント専門医として多くの症例を手がけてきた経験から、患者さまがインプラント治療を受ける際のポイントをお伝えします。
まず、歯科医師の専門性と経験を確認しましょう。当院には、ITIスペシャリスト(インプラント認定医)の資格を持つ歯科医師が在籍しています。
次に、設備の充実度も重要です。特に歯科用CTは、安全で精密なインプラント治療には欠かせません。当院では高性能のデンタルCT撮影装置を導入し、精密な診断と治療計画の立案を行っています。
また、使用するインプラントシステムについても確認しておくとよいでしょう。世界的に実績のあるメーカーのインプラントは、長期的な安全性と信頼性が確認されています。
インプラント治療は長期にわたるため、アフターケアの体制も重要です。定期的なメンテナンスや、万が一のトラブル時の対応がしっかりしている医院を選びましょう。
カウンセリングの内容も判断材料になります。リスクや注意点も含めて丁寧に説明してくれる歯科医師は信頼できるでしょう。逆に、リスクについての説明がなかったり、過度に成功を強調するような場合は注意が必要です。
当院では、患者さま一人ひとりの状態を詳細に診査し、最適な治療計画を立てています。また、インプラント治療だけでなく、入れ歯やブリッジなど、他の選択肢についても公平に説明し、患者さまご自身が納得して治療法を選べるようサポートしています。
インプラント治療は、適切な歯科医師と正しい知識があれば、非常に満足度の高い治療法です。ぜひ当院にご相談いただき、あなたに最適な治療法を一緒に考えていきましょう。
詳しくは桜新町グリーン歯科・矯正歯科までお気軽にお問い合わせください。経験豊富な歯科医師が、あなたのお口の健康と美しい笑顔をサポートいたします。
監修者情報
鈴木 聡(すずき さとし)先生
医療法人社団 緑幸会 桜新町グリーン歯科矯正歯科 理事長

略歴
広島大学歯学部卒業後、複数の歯科医院で研鑽を積み、
専門分野
矯正歯科・インプラント治療・審美歯科
特に、抜歯に頼らない「非抜歯矯正」や、目立ちにくい「マウスピース矯正(インビザライン)」に注力し、見た目と機能の両立を図る治療に力を入れている。
所属学会等
-
日本矯正歯科学会 会員
-
日本口腔インプラント学会 会員
監修者からのひとこと
患者さまの「見た目」と「噛める機能」の両立を大切にし、年齢やライフスタイルに合わせた矯正治療を心がけています。大人の方でも安心して始められる治療法をご提案いたします。







