虫歯/痛みを軽減した麻酔根管治療/無痛麻酔
歯の構造
皆さんご存知ですか?歯は体の中でもっとも硬い、鉄よりも固い組織です。そのため虫歯治療で歯を削るときは鉄より硬いダイヤモンドが入ったバーを使用しています。
歯の構造は3層になっていて、鏡を見ながらあーんとお口を開けて見える部分がもっとも硬い組織のエナメル質・その内側を象牙質・さらにその内側にあるのが歯髄(神経と血液)になっています。
体の中でもっとも硬い組織・エナメル質
エナメル質の 97%がハイドロキシアパタイトというリン酸カルシウムで出来ています。
象牙質
この層は 70%がハイドロキシアパタイトでできており、さらにコラーゲンなどの柔らかい組織で構成されています。この層に柔らかい組織があることでしなるような動きができるので、かみ合わせや強く食いしばったときに歯がすぐに割れることがありません。
歯髄
歯の神経のことです。歯の一番内側にある層です。歯髄はコラーゲンの繊維と血液で満たされています。
虫歯のでき方
歯がどうやってこの硬い歯を壊してゆくのでしょう?虫歯さんがバリバリ食べて壊してしまうのでしょうか・・・?
実際には細菌が直接的に歯を壊すのではなく、細菌が口腔内のプラーク(歯垢)をもとに酸を作り出して、歯を溶かしてしまいます。体の中で一番硬い組織の歯ですが、残念なことに酸には弱かったのです。
虫歯になる流れ
① プラーク(歯垢)細菌のエサがある
② 虫歯の細菌がプラークを食べて活性化し、酸を作る
③ 細菌が出した酸で歯のエナメル質が溶かされる(脱灰・軟化)
④ 溶けたところから歯の構造が少し崩れる
⑤ 崩れた隙間に色素が入る(着色)
⑥ さらに溶かされて大きく構造が崩れる
⑦ 大きくなった隙間に細菌が入る(細菌侵入)
虫歯の細菌が歯を壊すのではなく酸が入り込んで色素(細菌由来や口腔内従来のもの)が入り込んで細菌が入り込む。この順を何度も繰り返して虫歯になってしまうのです。
CO
一番外側のエナメル質が脱灰を始めたばかりの頃。レントゲン写真では見えません。
まだダイヤモンドバーで削る必要がないので、しっかりとプラークを残さないように歯磨きして、長時間お口の中を酸性にしないようにして、フッ素などの歯磨き粉などを利用して歯の再石灰化を心掛けましょう。
痛くない麻酔
痛みの少ない治療をするために必要な麻酔ですが、その麻酔時に痛みが生じてしまうことも少なくありません。この麻酔時の痛みは、いくつかの工夫をすることで最小限に抑えることができます。桜新町グリーン歯科・矯正歯科では、患者様の負担を極力少なくするために、十分注意を払って治療前の麻酔を行います。痛みが苦手な方、麻酔時の痛みに不安のある方は、一度当院までご相談ください。
痛くないポイント①表面麻酔
麻酔をするためには、麻酔液を患部周囲に注入する必要があります。しかし、お口の中は非常に敏感であり、痛みを感じやすいため、針を刺したときに痛みのないよう「表面麻酔」を使用いたします。
これにより、注射時の痛みが大きく軽減され、十分な麻酔をかけることができます。
痛くないポイント②電動麻酔注入器
麻酔をするときに痛みがでる理由のひとつには、「麻酔液を注入するときの圧」があります。これは、注射器を押す力が強かったり、スピードが速すぎたりすることで起こります。当院ではこの注入時の痛みを抑えるため、麻酔液の注入スピードを一定に保つことができる「電動麻酔注入器」を使用しておりますので、安心して麻酔処置を受けていただくことが可能です。
この他にも、声掛けやカートリッジの温めなど、麻酔時の痛みを軽減させるため様々な工夫をして、痛みの少ない無痛麻酔を心がけております。治療の前から患者様が痛みを感じ、不安にならないよう配慮した丁寧な治療をご提供できるよう努めてまいりますので、痛みが苦手な方は、まずは当院までご相談ください。
虫歯治療(初期〜中期)
C1
エナメル質は内側の象牙質へエナメル小柱が連なっている構造をしています。
そのため、虫歯は歯を溶かしてエナメル小柱に沿って象牙質へ象牙質へと入り込みます。
エナメル質までの虫歯は比較的小さく、痛みを伴わないことが多いです。ですが、痛くなくても立派な虫歯です!
COのように再石灰化で治ることはありません!
コンポジットレジン(白い詰め物)を使った治療
浅く小さな虫歯は、「コンポジットレジン」という白い樹脂で詰めることで、1回の治療で終わらせることができるケースがほとんどです。治療中も痛みを感じにくいため、患者様の負担も少なく済ませることができます。
(保険診療になります。)
C2
エナメル質を突破した虫歯が象牙質に到達すると象牙細管を伝わって歯髄のほうへ進みつつ、エナメル-象牙境というエナメル質と象牙質の境界線に沿って広がります。
詳しくは岡本院長のブログ 知覚過敏の疑問 をご覧ください。
象牙細管は歯髄まで続く細い管です。管の中は空っぽではなく、結晶性の無機質が詰まっていて歯髄への刺激を遮断していますが、これらが酸によって壊されると管から刺激が歯髄(神経の部屋)まで伝わって痛みを感じるようになります。痛みを感じ出したら虫歯として結構大きいとお考え下さい。
歯科医師としても出来るだけ歯の神経を残して歯の寿命を維持したいので、歯髄近くの象牙質を削るときはより注意を払って虫歯を取り除きます。
インレー(銀や白い詰め物)を使った治療
虫歯が広範囲で感染してしまうと、その分歯を削る量も多くなってしまいます。コンポジットレジンでは耐久性に支障が出てしまう場合、「インレー」という詰め物で修復する必要があります。
このインレーは、保険のルールで歯の場所によっては銀色の詰め物になってしまうため、白い詰め物がいいという方には、白いセラミックインレーをご案内しております。詳しくは、セラミックインレーページをご覧下さい。
削る量を最小限にするMI治療
MI治療はミニマルインターベーションの略であり、最小限の侵襲という意味になります。つまり、治療において「なるべく削らない」「健康な歯を残す」ことを目的としています。当院では、健康な歯をできるだけ残し、歯を必要以上に削らないよう虫歯治療を行っております。
感染した歯質はどうしても削る必要がありますが、これを最小限にとどめることで健康な歯を多く守れるように心がけております。定期的な歯科検診を行うことで、虫歯の早期発見・早期治療ができ、MI治療にも繋がりますので、治療後もメインテナンスでの定期的なご来院をおすすめしております。
根管治療(神経まで達した深い虫歯)
C3
虫歯が進んでエナメル質・象牙質を突破して歯髄まで到達すると神経を残すことは基本的にできなくなります。(根未完成歯などは虫歯の進み方によっては上のほうだけ神経をとって歯の根っこだけ神経を残すことがあります。)
痛みはさらに大きくなり、何もしなくても痛く(自発痛)痛み止めが効きにくくなります。この状態になると、歯髄炎と言って炎症が強く、麻酔も効きにくいです。
こんな症状があったら要注意
虫歯が深く進行すると、神経にまで感染が広がり、根っこの治療が必要になります。
- 冷たいもの、熱いものがしみる
- 何もしなくても痛みがある
- どの歯が痛いか明確に分からない
治療の流れ
- 麻酔をする
- 歯を削り、神経を取り除く
- 神経の通っていた根っこの管を少しずつ器具で拡大し、丁寧に洗浄
- 乾燥後、薬を置いて仮の蓋をする
↓2回目以降
- 仮の蓋を除去し、根っこの部分の清掃及び乾燥をする
- 根っこの管を清潔な状態のまま密閉する「根管充填」を行う
- 削った歯に土台を立てて、被せ物の処置をする
神経をとった後、炎症の程度によっては何度かの根っこの洗浄と消毒を繰り返さないといけないケースもございますので、治療回数は患者様ごとに異なります。また、当院では「感染物質の取り残し」や「充填の不十分」から起こる再発を予防するため、洗浄、根管充填を丁寧に行ないます。「以前神経の治療をして再発した」といった場合でも、まずはご相談ください。
C4
歯の頭の部分が虫歯で溶けてしまい、虫歯は歯の根っこを伝わり歯を支えている骨(歯槽骨)まで溶かしていきます。この状態では歯の神経は死んでしまっているので痛みが引いたように感じるかもしれません。
ただ、この状態を長く放置すると、周りの歯茎や骨が痛み、リンパも腫れていきます。1本の歯が悪くだけではなく隣の歯にも影響が出てしまいます。
また、口腔内の悪い細菌が増えてしまっています。治療法としては基本的に抜歯になります。
知覚過敏(歯が染みる)
歯が染みるのは、全てが虫歯のせいではありません。特に多いのは、歯ぐきが下がることによって引き起こされる「知覚過敏」です。加齢や歯ブラシ時の過剰な力によって歯ぐきが下がると、根っこの「象牙質(ぞうげしつ)」という部分が露出してしまいます。
このような場合には、お薬でしみる部分をコーティングしたり、知覚過敏用歯磨き粉の使用などで対処できる場合がございます。患者様ご自身で、虫歯か知覚過敏かを判断するのは非常に困難であるため、歯がしみることでお悩みの方は、当院までご相談ください。