エアフロークリーニング 染め出し・歯周病・インプラント周囲炎

SDA(Swiss Dental Academy)のインフェクションコントロールとは、歯科医療の現場における感染リスクを、科学的根拠に基づいてできる限り低く抑えるための考え方です。

その基本となるのがスタンダードプリコーションであり、「すべての患者さんに感染の可能性がある」と想定したうえで対応します。
具体的には、適切な手指衛生の実施や、グローブ・マスク・フェイスシールドなどの個人防護具の使用、さらに器具や診療環境の洗浄・消毒・滅菌を確実に行うことが重要とされています
SDAの大きな特徴は、バイオフィルムコントロールを感染管理の中心に据えている点です。口腔内の細菌は歯の表面にバイオフィルムとして存在しており、歯科処置中に発生するエアロゾルによって、術者や診療室内に拡散する可能性があります。
Guided Biofilm Therapy(GBT)では、染め出しを行いバイオフィルムを可視化したうえで、健康な部位には予防的なケアを、炎症や歯周病が認められる部位には治療的な除去を行います。このバイオフィルム除去は、予防と治療の両方の意味を持ち、同時に感染管理にもつながる行為であるとSDAでは考えています。
また、歯科医療特有の課題であるエアロゾル対策にも力を入れています。処置前にうがいを行い口腔内の細菌数を減らすこと、高性能バキュームの使用、パウダーや水量・出力の適切な調整によって、エアロゾルを「発生してから対処する」のではなく、「発生そのものを抑える」ことを重視しています。
さらに、清潔域と不潔域の動線を明確に分けることで、スタッフの動きによるヒューマンエラーを減らす環境づくりも徹底されています。
このようにSDAの感染管理は、歯科衛生士が日常診療で行う処置と密接に結びついており、チーム全員が同じ基準を共有し実践することで、安全性の高い質の良い歯科医療を継続的に提供することが可能になります。

SDAでは「予防と治療を同時に進めながら、感染リスクもコントロールする」ことを重要な理念として位置づけています。

予防歯科の新しい考え方 ― GBTって何?

毎日の歯磨きや定期的なクリーニング、歯石取りをきちんと行っているのに「歯茎の腫れや出血がなかなか良くならない」そんな経験はありませんか?

実はその原因が、歯石ではなく「バイオフィルム」にあることが多くあります。

バイオフィルムとは、歯の表面や歯茎の中にこびりついた細菌のかたまりのことです。ネバネバした膜のような性質があり、通常の歯みがきや一部の歯石除去だけでは取りきれません。細菌がその中で守られてしまうため、見た目がきれいでも炎症が続いてしまうことがあります。
そこで近年、歯科医療で重視されているのがデブライトメントという考え方です。

デブライトメント

これは「歯石を取ること」だけを目的とするのではなく、歯石があるかどうかに関係なく、歯や歯茎に付着した細菌のかたまり(バイオフィルム)をしっかり取り除くことを大切にしています。歯石は原因ではなく、細菌が増えた結果としてできるものだからです。
この考え方をもとにした治療が、GBT(ガイデッド・バイオフィルム・セラピー)です。
まず、歯の表面を染め出して汚れを見える形にし、患者さんにも今のお口の状態を確認していただきます。
その後、細かいパウダーと水流を使った専用の機器「エアフロー®」を用いて、歯や歯茎に負担をかけにくい方法でバイオフィルムを除去していきます。痛みや不快感が少なく、歯や歯茎を傷つけにくいのが特徴です。
歯周病の予防や改善には、「歯石を取る治療」から「細菌をきちんと減らす治療」へという考え方が大切になっています。GBTは、歯と歯茎を長く健康に保つための、新しい予防歯科のアプローチです。

GBTガイデッド・バイオフィルム・セラピーの流れ

① 検査・説明
歯茎の状態や出血、磨き残しの有無を確認します。
② 染め出し
バイオフィルムを染めて、汚れの場所を目で見て確認します。
③ セルフケアの確認
磨き残しを一緒に見ながら、患者さんに合った歯磨き方法をお伝えします。
④ バイオフィルム除去
専用の機器を使い、歯や歯茎にやさしく細菌を取り除きます。
⑤ 必要な部分のみ歯石除去
残っている歯石があれば、必要なところだけ最小限に除去します。
⑥ 最終チェックと予防の説明
治療後の状態を確認し、今後の予防やメインテナンスについてご説明します。

エアフロー プラーク除去 歯周病予防

歯を守るカギは、治療後のメインテナンスです

歯周治療が終わったあとも、お口の健康を長く保つためには、治療後のメインテナンスがとても重要です。
特に大切なのが、治療後からおよそ6ヶ月間の「ヒーリングフェーズ(治癒期)」と呼ばれる期間です。この時期に定期的なケアを受けることで、治療の効果をしっかりと安定させることができます。
歯周病は、一度症状が落ち着いても、毎日の歯磨きだけで細菌を完全に抑えることは難しい病気です。ケアを中断してしまうと、気づかないうちに再発しやすいという特徴があります。

ヒーリングフェーズ中に歯科医院で専門的なクリーニングや歯ぐきのチェックを行うことで、細菌の増殖を抑え、歯ぐきが健康な状態に回復しやすくなります。

またこの時期は、歯茎の組織が落ち着き、体の免疫力が本来の力を発揮しやすくなる大切な期間でもあります。お口の中の細菌が少ない状態を保つことで、炎症の再発を防ぎ、安定した歯周環境につながります。
過去の研究でも、歯周治療後にメインテナンスを受けなかった場合は、歯周病が再び進行しやすいことが報告されています。一方で、治療後も定期的にメインテナンスを続けた方は、歯ぐきの状態が安定し、良好な状態を長く保てることが分かっています。
歯周治療は、「治療して終わり」ではありません。
治療後の6ヶ月間をどう過ごすかが、これから先の歯の健康を大きく左右します。
将来もご自身の歯で安心して食事を楽しめるよう、私たちと一緒に定期的なメインテナンスを続けていきましょう。

ヒーリングフェーズ 歯周病治療後の6か月間 歯周病治療

EMS AirFlow® パウダーについて

EMSの AirFlow®パウダー は、歯の表面や歯周ポケットの汚れ(バイオフィルム)や着色(ステイン)を、安全で快適に落とすための専用粉末です。
歯や歯茎に優しく、痛みや刺激が少ないのが特徴です。パウダーには種類があり、目的に応じて使い分けるようにしています。
プラスパウダー とレモンパウダー の2種類について説明します。

1. AirFlow® PLUS Powder(プラスパウダー)

プラスパウダーは、エリスリトールという自然由来の成分で作られた、とても粒子の細い粉(約14μm)です。
粒子が小さいため、歯の表面だけでなく歯茎の下の歯周ポケットの中まで使えます。これにより、歯周病の原因となるバイオフィルムも効率よく除去できます。

(特徴)
・歯や歯茎、インプラントや矯正装置にも安全
・痛みや刺激が少なく、敏感な方やお子さんにも安心
・日常のクリーニングや歯周治療後のメンテナンスに適している
(禁忌)
・重度の呼吸器疾患の方
・重度の歯周病や出血傾向のある方
・成分にアレルギーがある方
→ナトリウムを含まないため、ナトリウム制限がある方でも使用可能です。妊娠中も基本的に安全ですが体調や過敏症がある場合はご相談下さい。

2. AirFlow® Classic Powder(レモンパウダー)

レモンパウダーは、炭酸水素ナトリウム(重曹)で作られた少し粒が大きめの粉(約40μm)です。
特徴は、コーヒーや紅茶、タバコなどによる着色汚れをしっかり落とせることです。
レモン風味で、歯のクリーニング中も快適に感じられます。

(特徴)
・縁上の強固なステイン除去に特化
・見た目の美しさを整えたい方におすすめ
・歯周ポケット内部には使わず、主に歯の表面のクリーニング向き
(禁忌)
・知覚過敏が強い方
・重度の歯周病や出血傾向のある方
・成分にアレルギーや重度の呼吸器疾患の方
→ナトリウム制限・妊娠中微量のナトリウムを含むため、厳格な制限がある方はご相談下さい。

治療の目的や患者様のご希望に応じて、パウダーを使い分けることで、快適で効果的なクリーニングが可能になります。

ぜひ歯への負担が少ないパウダークリーニングを試してみませんか?

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インプラントを長く安心して使うために大切なこと

スウェーデンの歯科医療では、「天然歯とインプラントは同じようにケアすることが重要」という考え方が基本です。
インプラントは人工の歯ですが、口腔内の環境は天然歯と同じため、汚れの付き方や炎症の起こり方も似ています。

インプラントの表面にも、細菌の塊であるバイオフィルムが形成されます。これが原因で歯茎に炎症が起こることがあります。
インプラントの周りの歯茎に炎症が起き、プロービングで出血が見られる状態を「インプラント周囲粘膜炎」といい、これは天然歯でいう歯肉炎と同じ段階と考えられています。

インプラント周囲炎とは

インプラント周囲粘膜炎からさらに炎症が進行し、インプラントを支えている骨が少しずつ失われていく状態が「インプラント周囲炎」です。
これは天然歯の歯周炎と同じ考え方で、進行すると治療が難しくなるため、早めの対応がとても大切になります。
インプラント治療を受けた患者様にお伝えしたいポイントは4つあります。

1つ目は予防。日々のケアと定期的なメインテナンスにより、新たなインプラント治療を避けることができます。

2つ目は天然歯を守ること。残っている歯の健康が、インプラントの寿命にも大きく影響します。

3つ目は病気への理解。インプラントも天然歯と同じように悪くなる可能性があります。

4つ目はサポート。定期的な来院がトラブルを減らす一番の近道です。

来院の頻度は、どのような状態でインプラントを埋入したかによって異なります。
特に、歯周病などの病気がある状態で治療を受けた方や、炎症が起きやすい方は、短い間隔でメインテナンスを行うことがとても重要です。
セルフケアについて、特別に難しいことは必要ありません。
基本は柔らかめの歯ブラシで丁寧に磨くことが大切です。磨きにくい部分がある場合には、タフトブラシや歯間ブラシなどの補助清掃用具の使用をおすすめすることもあります。
私たち歯科衛生士は、インプラント周囲粘膜炎の段階でエアフローによる負担の少ないクリーニングと、ご自宅でのケアのサポートを行い、インプラントを長く快適に使っていただけるようお手伝いしていきたいと思います。

インプラント周囲炎 インプラントと骨の炎症 インプラント周囲炎にならない為に

衛生士近藤のセミナーコラムです。

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