【歯科医が解説】子どもの矯正治療で抜歯を避けるための最適な開始時期
お子さんの歯並びが気になり始めたとき、「矯正治療はいつから始めるべきか」「できれば歯を抜かずに治療したい」と悩まれる保護者さまは少なくありません。
私は本院の登戸グリーン歯科・矯正歯科で30年以上にわたり矯正治療に携わってきましたが、特に小児矯正においては「開始時期」が治療結果を大きく左右します。
適切なタイミングで治療を始めることで、お子さんの顎の成長を利用しながら、抜歯を避けられる可能性が高まるのです。この記事では、矯正治療に携わってきた歯科医師の視点から、子どもの矯正治療で抜歯を避けるための最適な開始時期について解説します。

子どもの矯正治療における「開始時期」の重要性
矯正治療の開始時期でお悩みの保護者さまもおられると思います。
特に小児矯正では、顎の成長が活発なタイミングを利用することで、より自然で負担の少ない治療が出来るようになります。成長期のお子さんの顎は柔軟性があり、骨格レベルでの改善が期待できるため、永久歯が生え揃ってからの治療と比べて、抜歯を避けられる可能性が高くなります。
顎の成長を利用した治療のメリット
6歳から12歳頃の「混合歯列期」は、乳歯と永久歯が混在する時期で顎の成長が最も活発な段階です。この時期に矯正治療を開始すると、顎の成長する力を利用して永久歯が並ぶスペースを確保できます。
当院で採用している「拡大床矯正装置」は、この成長期の特性を最大限に活かす治療法です。顎を拡大することで永久歯が自然に並ぶ土台を作り、将来的な抜歯のリスクを大幅に減らすことができます。
早期治療と遅延治療の違い
10歳を過ぎると上顎の成長がほぼ止まってしまうため、顎の拡大による治療効果が限定的になります。
この時期を逃すと、歯を並べるスペースを確保するために抜歯が必要になる可能性が高まります。一方で、早すぎる治療開始にも注意が必要です。3歳頃の受け口などの症例では早期介入が有効な場合もありますが、一般的な歯並びの問題については、前歯が永久歯に生え変わる6歳から7歳頃が一つの目安となります。
抜歯を避けるための最適な開始時期とは
抜歯を避けた矯正治療を実現するには、適切なタイミングでの治療開始が不可欠です。
お子様の成長段階や歯並びの状態、顎と永久歯の大きさによって最適な時期は異なりますが、一般的な目安をご紹介します。
6歳から10歳までが理想的な開始時期
小学校入学前後に一度矯正歯科を受診し、お子様の歯並びや顎の成長状態を診察してもらうことをおすすめします。当院では、平日は無料矯正相談を承っておりますので、気になることがあればお気軽にお越しください。
また、虫歯予防の観点からも定期的な歯のクリーニングをお子様の頃からおすすめしています。
症状別の開始時期の目安
歯並びの問題には様々なタイプがあり、それぞれに最適な治療開始時期が異なります。
「反対咬合(受け口)」や「交叉咬合」のように顎の異常な成長を引き起こす可能性がある症例では、3歳から4歳頃の早期介入が効果的です。これらは骨格上の問題であり、大人になってからの改善が難しいため、早めの対応が推奨されます。「叢生(歯のガタガタ)」「上顎前突(出っ歯)」「開咬」などの症例では、6歳頃を目安に治療を検討すると良いでしょう。
永久歯が生え揃う前の介入が鍵
永久歯が完全に生え揃ってからの矯正治療は「第二期治療」と呼ばれ、成人矯正と同じワイヤー矯正やマウスピース矯正の治療になります。
この段階では顎の成長がほぼ完了しているため、歯を並べるスペースが不足している場合、健康な歯を抜歯せざるを得ないケースが増えます。だからこそ、永久歯が生え揃う前の混合歯列期に第一期治療を行い、顎を拡大して永久歯が並ぶスペースを確保することが、抜歯を避けるための最も効果的な方法なのです。
非抜歯矯正を実現する治療方法
抜歯を避けた矯正治療を実現するには、適切な治療方法の選択が重要です。
歯列の改善による非抜歯矯正
歯並びが乱れている場合、歯列は上から見て「V字型」になっていることが多くあります。これを本来のあるべき形である「U字型」へと変えていくことで、歯を自然な歯並びにすることができます。
この歯列の改善は、拡大床や機能的矯正装置を使用して行います。特に混合歯列期のお子さんでは、顎の柔軟性を利用して効果的に歯列を拡大できるため、抜歯を避けられる可能性が高まります。
顎の成長促進による非抜歯矯正
近年、顎の発達が不十分なお子さんが増えています。
これは食生活の変化により、柔らかい食べ物が中心となり、咀嚼機能が低下していることが影響していると考えられます。矯正装置やMFT(口腔筋機能療法)によって顎の成長を促進することで、永久歯がきれいに並ぶための本来のスペースを確保できます。
悪習癖の改善も重要
指しゃぶりや舌で歯を押し出す癖、口呼吸、頬杖などの悪い生活習慣は、歯並びを悪化させる要因となります。
矯正治療で歯並びを改善したとしても、これらの癖が改善されていなければ、いずれまた歯並びが乱れてしまう可能性があります。当院では、矯正治療と並行して悪習癖の改善指導も行い、治療後の安定した歯並びの維持を目指しています。お子様の日常生活の中での癖を観察し、早期に対処することが、長期的な治療成功の鍵となります。

早期治療のメリットと注意点
子どもの矯正治療を早期に始めることには、多くのメリットがあります。
ただし、いくつかの注意点も理解しておく必要があります。
早期治療の5つのメリット
第一に、顎を拡大しやすいという点が挙げられます。顎の成長をコントロールできるのは、成長段階にある子どもの時期だけであり、10歳前後から顎の拡大も難しくなってきます。
第二に、歯が動きやすいという特徴があります。子どもの骨は柔らかく、歯が動きやすいため、弱い負荷でも調整ができ、痛みも軽減されます。第三に、抜歯するリスクが低くなります。顎を拡大して永久歯が並ぶスペースを確保する手法なら、抜歯せずに治療ができ、将来の大人の矯正治療でも抜歯リスクが抑えられます。第四に、適応能力が高いことが挙げられます。大人と比較すると子どもの適応能力は高く、矯正装置にも早く慣れる傾向があります。第五に、治療費が抑えられる可能性があります。歯の移動が成人よりもスムーズに行えることから、治療期間も短縮でき、結果として治療費を抑えることができます。
早期治療の注意点
早期治療にはメリットが多い一方で、いくつかの注意点もあります。
まず、治療期間が長くなる可能性があります。第一期治療を行った後、永久歯が生え揃うまで経過観察を続け、必要に応じて第二期治療に移行するため、トータルの治療期間は長くなることがあります。また、早期に治療を開始しても、顎の骨の成長によって再び歯並びが乱れる可能性もゼロではありません。そのため、治療後の定期的なチェックと保定が重要になります。
虫歯予防も並行して行うことが大切
矯正治療中は装置が付いているため、歯磨きがしにくくなり、虫歯のリスクが高まります。
特にお子様の場合、自分でしっかりと歯磨きをすることが難しいため、保護者様のサポートが不可欠です。当院では、矯正治療と並行してクリーニングなどの予防処置を行い、虫歯リスクを最小限に抑えています。矯正治療を成功させるためには、虫歯予防も重要な要素であることを忘れないでください。
まとめ:お子様の未来のために最適なタイミングで治療を
お子様の矯正治療で抜歯を避けるためには、適切な開始時期の見極めが何よりも重要です。
6歳から10歳までの乳歯と永久歯の混合歯列期に治療を始めることで、顎の成長を利用した非抜歯矯正治療ができ、お子様の負担が少なく美しい歯並びを実現できます。歯並びの問題は、見た目だけでなく、噛み合わせや発音、さらには全身の健康にも影響を及ぼします。早期に適切な治療を行うことで、お子様の将来の健康と笑顔を守ることができるのです。
当院では、30年以上の経験と最新の矯正技術を駆使し、一人ひとりのお子様に最適な治療計画をご提案しています。お子様の歯並びが気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
詳しい治療内容や平日限定無料矯正相談のご予約は、桜新町グリーン歯科・矯正歯科の公式サイトをご覧ください。お子様の健やかな成長と美しい笑顔のために、私たちが全力でサポートいたします。
医療法人社団緑幸会 理事長 鈴木聡
監修者情報
鈴木 聡(すずき さとし)先生
医療法人社団 緑幸会 桜新町グリーン歯科矯正歯科 理事長

略歴
広島大学歯学部卒業後、複数の歯科医院で研鑽を積み、
専門分野
矯正歯科・インプラント治療・審美歯科
特に、抜歯に頼らない「非抜歯矯正」や、目立ちにくい「マウスピース矯正(インビザライン)」に注力し、見た目と機能の両立を図る治療に力を入れている。
所属学会等
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日本矯正歯科学会 会員
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日本口腔インプラント学会 会員
監修者からのひとこと
患者さまの「見た目」と「噛める機能」の両立を大切にし、年齢やライフスタイルに合わせた矯正治療を心がけています。大人の方でも安心して始められる治療法をご提案いたします。







