EMSエアフローについて解説します。
こんにちは、桜新町グリーン歯科・矯正歯科の岡本です。
今回は歯科医院で施術できる、歯のクリーニングについて解説していきたいと思います。
皆様は自分自身の歯を鏡で見たときに、色が気になる方はいらっしゃいませんか?
コーヒーを飲んだりタバコを吸ったりする習慣がある方は、特に着色が目につきやすいと思います。
テレビのCMなどで、歯を白くする歯みがき粉を見たことあるかと思いますが、実際のところ頑固な着色は歯みがきで落とすことはかなり難しいです。
では、どうしたら着色汚れを綺麗にするのか、実は歯科医院で「エアフロー」という歯面清掃機械で簡単かつ確実にできます!
「エアフロー」について詳しく書いていきましょう。
エアフローとは?
非常に細かいパウダー粒子を歯に吹きかける機器で、歯の表面を掃除するときに使われます。
ジェット噴射によって、ブラッシングでは落とせないプラークや着色汚れ、バイオフィルム(細菌の塊)などを取り除いてくれます。
プラークやバイオフィルムの主な原因は食べかすで、プラークは時間の経過によって頑固な歯石へと変わります。
またバイオフィルムは、膜状になっているので簡単には落とせません。
そこで活躍するのがエアフローです。
歯や歯肉にダメージを与えることなく、自宅では落とせない汚れをあっという間に取り除けます。
エアフローのメリットとデメリット
メリット
- 高い清掃効果が期待できる
被せ物の周りや歯間など、歯ブラシで磨きにくい部分の汚れもしっかりと落としてくれます。
歯列矯正中の方は、装置と歯の間もキレイにできるでしょう。 - 短時間で汚れを取り除ける
非常に細かい粒子が広範囲にジェット噴射されるので、短時間で汚れを落とすことが可能です。 - 口腔内を傷付けにくい
歯科クリーニングでは「超音波スケーラー」という器具が用いられることもありますが、歯を傷付ける可能性が懸念されています。
その点エアフローであれば、歯や詰め物の周りなどを傷付けることなく清掃できます。 - 着色汚れに高い効果を発揮する
ヤニや茶渋が原因の着色汚れにも、高い清掃効果を発揮します。
ブラッシングでは落とせない汚れも、あっという間にキレイになるでしょう。
デメリット
- 保険適応外(自由診療)です
保険適応のクリーニングは歯周病の治療に値するものとなりますので
着色汚れなどの審美目的のクリーニングは基本保険外治療となります。 - 使用制限があります
呼吸器疾患のある方(喘息など)や放射線治療を行っている方
ナトリウム摂取制限を必要とする方や妊娠中の方は処置を受けられないことがあります。 - 多少の違和感があります
施術を受ける際、舌や歯肉に当たった粒子でチクチクとした違和感を感じることがあります。
また、水分と一緒に噴射されますので、水がお顔にかかることもあります。
リスク・注意点
- 基本的に痛みのない施術ですが、知覚過敏がある方は特有の刺激を感じる場合があります。
→噴射するお水をぬるま湯にすることで、知覚過敏は大幅軽減されますので、しみが強い場合は歯科衛生士に相談してください。 - 着色汚れは落とせますが、歯を白くするなどのホワイトニング効果は期待できません。被せ物や詰め物の色が、施術によって白くなることもないのでご了承ください。
→歯の本質の色を白くするものでは無いため、歯の本来の色が気になる方はホワイトニングをお薦めします。 - 施術直後は、歯の表面の保護膜が無い状態になりますので、2~3時間程度は、お茶やコーヒーといった着色しやすい飲料を口にしないよう気を付けてください。
喫煙も控えたほうが良いです。
治療の流れ
- 問診・口腔内診察
問診をまず行います。日常生活で着色しやすいものをどのくらい摂取しているのか、嗜好品の有無などを確認します。
次にレントゲン写真を撮影し、歯や歯周組織の状態を確認します。
そして気になる箇所やご要望、ご不明な点を伺います。口腔内写真を撮影することで、より分かりやすくお口の状態が分かります。
最後に歯茎の歯周組織の検査を行います。 - 染め出し及び着色の明示
専用の歯垢染色液でバイオフィルムを染色していきます。染色することでバイオフィルム除去の目安を可視化されます。
また、着色も明らかにしていき、一緒に鏡で見てもらいながら説明をしていきます。 - 情報共有、TBI
予防の重要性と口腔衛生指導を行い、個々に合わせた清掃器具や清掃方法をお伝えいたします。
セルフケアでは難しいところなどは継続的な定期健診やプロフェッショナルケアの必要性を説明します。
また、バイオフィルムや着色が今後付かないように食事指導や生活指導も行っていきます。 - 歯肉縁上・縁下のエアフロー
いよいよ施術開始です。
非常に細かなパウダー粒子をジェット噴射で歯に吹き付けることにより、歯にこびりついた汚れを効果的に落としていきます。
エアフローをすることでバイオフィルム、ステイン、早期歯石の除去、歯面研磨が一度の処置で行います。
小窩裂溝、隣接面、叢生部位、クラウンの下縁、インプラント周囲溝、歯肉退縮部位、矯正装置など
アクセスが難しい部位から、効果的かつ侵襲性を抑えた方法でバイオフィルムを除去します。
さらに白斑および齲蝕の早期発見を助け、それによって侵襲性の高い歯科治療を選択する必要が低減できます。
エアフローは、天然歯、インプラント、修復/補綴物、軟組織の機能維持に有益です。 - 歯肉縁下のペリオフロー(ポケットが浅い方は必要ありません。)
天然歯の深いポケット内、根分岐部やインプラントの深いところは歯茎の奥をしっかりエアフローして汚れを除去していきます。 - スマートピエゾンとチップ
最後に残った歯石の有無を確認し、残っている場合は除去していきます。 - 汚れが残っていないか確認
バイオフィルムの取り残しがないかどうか患者様とともに確認をします。
歯石が完全に除去されたかをチェックし、歯面にフッ素を塗剤して歯質の強化を行います。 - 次回のメンテナンス予約
口腔内状況によって、メンテナンス時期を決めていきます。
EMSエアフローによる応用
矯正歯科
エアフローを使用すると、効果的に矯正装置周辺のバイオフィルムを除去することができます。
矯正のブラケット周囲に簡単にアクセスし、清掃することができます。その際、ワイヤー、リガチャーやエラスティックゴムは外す必要がありません。
エアフローは、ブラケット表面を傷つけたり、表面性状に変化を与えずにバイオフィルムを除去し、接着強度に影響を与えません。
インプラント
エアフローはインプラントのメンテナンスにおける効率的でより安全なバイオフィルム除去を可能にします。
侵襲性を極力抑え、インプラントやアバットメント、上部の補綴物表層を傷つけないようになっています。
快適かつ容易に軟組織の周辺に用いても安全にメンテナンスを行うことができます。
エアーフローを行うことで患者さまに侵襲が少なくかつ効果的にバイオフィルムが除去できます。
そのため当院ではエアフローを1台用意し、ステインオフ着色除去のみならずクリーニングやメンテナンス、徹底した歯ブラシ指導を行なっております。
いかがでしたでしょうか。クリーニングの技術も日々進化しておりますので、ぜひ快適な方法を選択肢に入れていただけると幸いです。
エアフローによる着色落としの実際の動画を近日挙げる予定なので、ぜひご覧ください。
ご予約・お問い合わせはこちらからよろしくお願い致します。
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