歯を強くする栄養素
歯科と食育は近年では繋がり深いものになりました。
当院では管理栄養士が5名所属しております。定期的に食育についての報告がありますので、今回は一つ紹介したいと思います。
【歯や歯肉を健康に保つために重要な栄養素とは?】
そもそも歯や歯肉は何でできているのでしょうか。
象牙質、エナメル質、歯肉
・エナメル質と象牙質
カルシウムを最も多く含んでおり、他にも微量にマグネシウムやナトリウム、鉄、亜鉛などが含まれています。また、象質の有機物の主成分はコラーゲンです。
・歯肉
歯肉の約60%はコラーゲンで構成されています。歯肉の内部でコラーゲン組織を作って歯肉に弾力を与えて、歯をしっかり支えたり、噛んだ時に加わる力から組織を守る役割をしています。
歯を強くする食べ物
カルシウム:エナメル質、象質共にカルシウムを最も多く含んでいるので、魚介類や海藻類、乳製品などのカルシウムを多く含んでいる食品は、歯を強くしてくれます。カルシウムは吸収されにくい栄養素なので、カルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDも一緒に摂るとより効果的です!
ビタミンD:主に魚類やきのこ類に多く含まれています。また、日光を浴びることでもビタミンDが体内でつくられます。季節や紫外線の強さによって異なりはしますが、天気の良い日は日光浴をするのも良いですね!
ビタミンA:歯の表面を覆うエナメル質をつくる働きがあります。動物性食品だと、レバーやウナギ、卵、植物性食品だと、にんじんやかぼちゃ、ほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれています。
ビタミンDもビタミンAも『脂溶性ビタミン』なので、油と一緒に調理する事で、吸収率を上げることがでます。マヨネーズを使ったドレッシング類を使用したり、油で炒める・揚げる調理法がおすすめです!
ビタミンC:歯の象質の形成を支える働きがあります。また、歯肉が構成されているコラーゲンの生成には必要不可欠なビタミンです。主にじゃがいもやピーマン、カボチャ、ブロッコリーなどに含まれています。
ビタミンCはビタミンD・A とは違い『水溶性ビタミン』なので、水に溶けやすい性質があり、調理法によっては栄養素が減ってしまうことがあります。水溶性ビタミンを多く含む食品を調理する時は、煮汁ごと使えるスープや、煮込み料理にすると余す事なく栄養を摂ることができるのでおすすめです!
清掃性食品とは…?
清掃性食品をご存じでしょうか?清掃性食品には2種類あります。
一つ目は直接清掃性食品です。これは、歯の表面についた汚れを落としてくれる食品の事をいいます。代表的なものとして、ごぼうやにんじん、セロリ、レタスなど食物繊維を多く含み、糖質や油分を含まない食品をいいます。
よく噛む事で唾液の分泌を促したり、顎の発達につながります。
二つ目は間接清掃性食品です。これは、口に含む事で唾液の分泌を促し、口の中に残った食べかすなどを唾液で洗い流して、口腔内の酸性化を抑えて、虫歯の出来にくい環境にする食品の事をいいます。代表的なものとして、梅干しや酢の物などの酸っぱい物があげられます。
停滞性食品とは…?
停滞性食品は、スパゲティやカレー、パン、ビスケットなどの誰もが好きな食べ物が含まれます。これらは糖分や油分を多く含んでいるので、歯にくっつきやすい食品です。
あまり噛まずに食べられる柔らかい食品は、唾液が多く分必されないので、歯に汚れが停滞して、虫歯の原因になってしまいます。
そうすると、停滞性食品をあまり摂らない方が良い事になりますが、それでは食事をすることの楽しみが減ってしまいますよね。
なので、停滞性食品を食べた後は特に歯みがきをするようにしてください!
歯みがきがどうしても難しい場合は、水で口をゆすいだり、お茶を飲んだりすることで歯の再石灰化を促すことができます!
食事の後はしっかり歯を磨きましょう!
できない時は必ずうがいをしましょう!
いかがでしたか? 栄養について詳しく知れたと思います。健康な歯無しでは栄養も摂れませんので、歯をしっかり管理していきましょう。
本院ではお子さんの栄養相談、栄養指導も行っておりますので、ぜひご相談ください!
岡本